きっと涙なしでは読めない。悲しくも、美しい「さようなら」の手紙。

ジョン・ポインターは、2016年11月に親友を失くしました。ブルドッグのベニーです。 ジョンは、がんと腎不全に苦しめられていた愛犬を安楽死させる決断をしました。ベニーがいなくなってしまった後、ジョンは自身の Facebook にベニーに宛てた別れの手紙を投稿しました。

ベニーの視点から書かれた手紙には、ベニーへの愛が込められています。涙腺崩壊、注意です。

昨日はどうもおかしな一日だった。まず僕はベッドからどうしても立ち上がれなくなっていて、一緒に暮らしている僕の人間が僕のことを持ち上げてくれた。体を持ち上げてもらったとき、足を伸ばしてもう一度立とうとしたけど、やっぱり上手くいかなかった。そしたら僕の人間が言った。

「大丈夫、下まで連れてってやるから」

彼は僕を抱えたまま階段を下りて家の外まで連れて行ってくれた。なんていい人なんだ、そう僕は思った。僕は実はその時どうしようもなくオシッコがしたくて、地面に下ろされた瞬間その場でしてしまった。普段はこんなこと絶対にしない。でもその日は特別だってことにふたりで決めた。

僕は駐車場の向こう側へ歩いて行こうとした。向こう側には、色んな犬がウンチをする場所があるんだ。でも足が地面に張り付いたように言うことを聞いてくれなかった。なんだか変だなと思っていたら突然、その場でしたくなっちゃって...... 駐車場のど真ん中で我慢できくなってしまったんだ。普段はこんなこと絶対にしない。ルール違反だもの。

僕の人間がそれを片付けてくれた。彼はそれをするのが得意なんだ。僕は少し恥ずかしくなったって彼を見上げてみた。そしたら「もう少し歩いてみる?」と聞かれて、せっかくだからもう少し歩いてみることにした。ところがこれが難しい。駐車場を横断しただけなのに頭がクラクラして、横にある小さな丘を上ろうとしたら転びかけてしまった。どうしてこんなに調子が悪いのか僕には分からなかった。

僕の人間がしゃがんで体をさすってくれた。とても気持ちいい。そしてまた僕を抱っこして、そのまま家の中まで連れていってくれた。僕は混乱していた。頭もクラクラしていた。とりあえず、家まで歩かずに済んでよかったと思った。それは突然、とてつもなく長い道のりに思えたんだ。

ベッドに戻れて嬉しかった。僕の人間は僕を撫でながら、「僕がいるから大丈夫、心配するな」と言った。彼の声を聞くと不思議と気分が良くなる。大丈夫なのはわかってるよ、て伝えたかった。僕の人間は、いつも全てを良くしてくれるから。

彼は僕の足を触り、唇を持ち上げた。「大丈夫?寒い?」聞かれてみると確かに、とても寒かった。顔も足もひどく冷えていた。僕の人間は携帯で何通がメールを書くと、僕のところにまた戻ってきてくれた。

数分後、別の人間が来た。この人間は僕のお気に入りで、名前はジェイ。彼も僕を撫でてくれた。そして僕の人間に「ブランケットを持ってきて」と言った。ブランケットをかけてもらったとき、それが本当に気持ちよくて僕は驚いてしまった。僕がリラックスして寝そべっている間、2人がずっと撫でてくれていた。でも、二人とも涙をこらえているようだった。

泣いて欲しくなかった。僕も悲しくなってしまうから。僕の役目はみんなの気分を良くすることなのに昨日は少し疲れていて、とても寒くてできなかった。その後、僕は眠りから出たり入ったりしていたのだけど、目覚めると二人が必ずそこにいた。僕が大丈夫なことを確認してくれているみたいだった。そして二人は良く喋った。

僕の人間は、電話をするとき以外はその日僕とたくさん時間を過ごしてくれた。誰かと電話で話してるとき、僕の人間が「明日の朝9時。予定が変わったらすぐ連絡する。ありがとう、マクドナルド先生」と言っていた。また別の会話では「ごめん、でも今日は行けそうにない」と言っているのが聞こえた。彼は少し泣いているようだった。

夜になると、僕の好きな人間たちがたくさん家に来た。そして、その日はみんなが特別に優しくしてくれた。みんな沢山の柔らかい言葉を耳元で呟いてくれて、僕は「いい子だ」って何度も言ってくれた。顔を近づけてきたときには、涙を舐めてあげた。

夜遅く、すこし調子が良くなった僕は立ち上がってドアの近くまで歩いていった。家に誰が来てるのか確認したかったんだ。でも何だかまだ苦しかった。僕の人間は「自力で立ち上がれたのは今日これが初めてだよ」とみんなに説明していた。みんな僕がベッドから出てきたことが嬉しいみたいだった。僕も嬉しかった。でも興奮が冷めると体を動かしているのがすごく辛くなった。

最後の客が帰ったとき、僕の人間はもう一度僕が「用事を済ます」ことができるよう、外まで抱っこしてくれた。家に戻って階段の下まで来たとき、僕は階段を見て驚いてしまった。覚えていたよりも倍ほど急になっていて、10倍ほど長くなっているような気がしたんだ。僕は不安になって僕の人間を見上げた。彼も僕のことを見ていた。そしたら「大丈夫、心配するな」と言ってまた僕を抱え上げてくれた。

その後、さらに信じられないことが起こった。その晩、自分のベッドじゃなくて「彼のベッド」で一緒に寝てもいいって言われたんだ。僕は、僕の人間のベッドで寝ることを許された。普段僕らは別々のベッドで寝ているのだけど、昨日の夜は彼と寄り添うようにして寝た。こんなに彼の近くにいれて、僕はうれしかった。「ここが好き。もうこの場所を二度とは離れたくない」そう思った。気分はあまり良くなかったけどね。とても息苦しかった。

この息苦しさを感じるようになったのは数ヶ月前のことだと思う。投げられたボールを追いかけていたとき、突然目の前が真っ暗になったんだ。何が起こったのか分からなかったけど、とにかく息ができなかった。僕の人間が僕の名前を呼んでいる声だけが聞こえて、でも体を動かすことはできなかった。彼が僕の顔を持ち上げて僕のことを見つめたときも、いつものように彼の顔を舐めることができなかった。「ベニー、大丈夫か?」と聞かれても、まったく答えられなかった。そしたら僕の人間が言った。「大丈夫、心配するな。僕がいる」そしたら突然、息ができるようになって体も動くようになっていたんだ。

その後すぐ医者に連れて行ってもらった。それ以来、「心筋症」、「がん」、「腎不全」といった言葉をよく聞くようになった。僕が理解できたのは、自分が時々調子が良くて、他の時はあまり調子が良くないってことだった。僕の人間は、薬を飲ませてくれた。

今朝、僕の人間がシャワーを浴びる音で目が覚めた。彼が部屋に戻ってきたとき、とてもいい匂いがした。彼は僕が起き上がるのをまた手伝ってくれようとしてけど、今日は自分で立ち上がることができた。階段の上まで来くと、やはり階段はとてつもなく長く見えた。そしたら彼は「大丈夫」と言ってまた僕を抱っこしてくれた。外での用事が済んで一緒に家の中に戻ってきたら、僕の人間は缶を開けてあの柔らかくて美味しいやつを食べさせてくれた。あのドッグフードは本当に美味しいんだ!

ジェイが今日も家に来た。嬉しかった。僕の人間とジェイは何かを心配しているようだった。みんなが僕のことを撫でていた。本当はとても悲しいのに幸せそうな演技をしなくてはならない、すこし変わった「ごっこ遊び」のようだった。その後、人間がもうひとり家にきた。その女の人はお医者さんのズボンを履いていた。僕はそれに頭をくっつけてみた。

僕の人間、ジェイ、お医者さんのズボンを履いた女の人は、家の前で話をしていた。そして僕の歯茎を見て足を触った。「あなたが決めることだけど、彼はもうその時期に来てる。押したくはないけど、この血色の悪さ…。立ち上がってること自体、驚くべきことよ。足と顎の皮膚もそうだけど、ここを見て…」お医者さんのズボンの女の人がそう言って僕の顔を指差した。「ここは本来ならピンクのはず。でも白くて、黄色になりつつある」

僕の人間とジェイが何かを話するためにどこかに行った。戻ってきたとき、僕の人間がこう言った。「そうだね。これ以上苦しくなっていくのなら待ちたくない」みんなで家の中に入った。実は、そのときの僕は立ち上がってるのがやっとだった。そして寒かった。前足も、後ろの足も冷たかった。

お医者さんのズボンの女の人が言った。「これを筋肉に注射する。鎮静剤よ。彼が眠るまで側にいてあげて」僕の人間が僕の額にキスをして、僕のことをじっと見つめた。また泣かないようにしてるのが分かった。お医者さんのズボンの女の人が、僕の足に何かを注射した。僕も僕の人間を見つめていた。何て素敵な人間なんだ、いつまでもずっと彼の側にいたい、そう思った。

僕の人間とジェイが僕を撫でながら、僕が嬉しくなるようなことを沢山言ってくれた。いい子だとか、良くやっただとか、おまえがいてよかったとか、ありがとうとか。暫くしたら、頭がぼうっとしてきた。起きろ自分!そう自分に言い聞かせた。僕の人間を見ていたい、僕はこの人間が本当に本当に好きなんだ。

でもまた意識が薄れてきた。起きろ自分!僕の人間がまた見えた。僕はこの人間が本当に好きでずっとずっと側にいたいと思っている。そのことをきっと彼も知ってる。それにしても眠かった。起きろ自分!もっと彼のことを見ていたかった。僕はいつも心をいっぱいにして彼のことを見つめている。

お医者さんのズボンの女の人が言った。「彼はきっとあなたと一緒にいたいのね。意志が強い。すごいわ」

僕の人間は、涙をこらえながら言った。「うん、分かってる。こいつは僕のために生きてくれてるんだ。本当に、こんな忠実な魂を持った犬、他に知らないよ…」僕と僕の人間は頭をくっつけて一緒に目を閉じた。気持ちよかった。そして目を開けて、また見つめ合った。とても眠かった。僕が座ろうとしたら、僕の人間がまた助けてくれた。そして僕はなんだかすごく気持ちがよくなっていった。

僕の人間とジェイがまた僕を撫でてくれて、気持ちいい言葉を呟いてくれる。みんな僕のことが好きなんだ。僕はとてもラッキーな犬だと思った。気づいたら他にも沢山の手がぼくのことを撫でてくれていた。今まで会ったことのある人間たちが全員そこにいて、みんなが僕を撫でてくれてたり、耳をマッサージしてくれたり、首輪の下のあの思わず足が動いてしまう場所を触ってくれたりした。何だかよく分からなかったけど、最高に気持ちがよかった。

お医者さんのズボンの女の人が僕の足を触った。実は僕の前足には両方ともチタンが入ってるんだ。僕の人間がいつか治してくれた。最近は、あまり動かなくなってしまったけど。

お医者さんのズボンの女の人が僕にもう一本注射をした。そしたら体の痛みが消えていった。注射の中の液体が、悪いところを治してくれているんだと思った。液体が体内を通りながら、がんも消し、足も、腎臓も、心臓も健康にしてくれた。すごい!病気が全部消えた!僕は感激していた。

僕は僕の人間と、ジェイ、そして僕の家に住んでいるシェリーを見つめた。みんな集まって何かを一生懸命見つめているみたいだったから、僕も近づいて覗いてみた。それは、何て言ったらいいんだろう、僕によく似ていた。でもすごい疲れて、具合が悪そうな僕。顔はよく見えないけど、かわいそうに、苦しい思いをしていたんだろうってことが分かった。

僕の人間を見た。ほっとしたような、でも同時にとても悲しい顔をしていた。僕は彼のことが本当に好き。僕は、僕に似た抜け殻を見て、もう一度僕の人間を見た。この抜け殻のことで悲しんでいるんだってことが分かった。僕は部屋の中を飛び回ってみた、でもみんな静かにしていたいみたいで、あの何かにキスしたり撫でたりするのに夢中だった。

僕の人間は、本当に悲しそうだった。彼に体をくっつけようとしたけど、僕の人間の体は雲みたいになってしまっていて僕はそのまま彼を通り抜けてしまった。しょうがないから彼の近くに座っていい子にしてることにした。そして心の中で彼に呟いてみた。

「心配しないで。大丈夫だよ」

僕はずっと僕の人間の側を離れない。彼はきっとそのことを知ってる。 

さようならベニー。君はとっても愛されていたんだね。

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