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映画の撮影中に命を落とした16人のスターたち!7番目は、特に大きな打撃だった。

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今回紹介するのは、ハリウッドに大きな痕跡を残した16人の俳優の死です。人気絶頂、あるいはまさにこれからというときに突然訪れたスターたちの死は、制作者や監督にとってもややこしい問題を引き起こしました。16人のハリウッドスターたちは、映画の撮影中に悲運の死を遂げてしまったのです。

1. ヒース・レジャー

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オーストラリア出身の俳優ヒース・レジャーは、2008年公開のバットマンシリーズ映画『ダークナイト』で、映画史に残る壮絶なジョーカー役を怪演し、スーパースターの仲間入りを果たしました。しかし、『ダークナイト』の完成を待たずに同年1月、28歳という若さで急逝し、突然の訃報が世界中に衝撃をもたらしました。遺体発見現場は、ニューヨークの自宅アパート。一定のドラッグなどの中毒ではなく、薬の併用摂取の急性薬物中毒の事故死でした。撮影中だった映画『Dr.パルナサスの鏡』の代役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが買って出た事は有名な話です。

2. デビッド・キャラダイン(David Carradine)

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ブルース・リー原案の70年代の米人気テレビシリーズ『燃えよ! カンフー』でスターに躍り出て、近年ではタランティーノ監督の『キル・ビル』のビルを演じるなど、カルト的な人気を誇っていたデヴィッド・キャラダインは、2009年6月4日、新作映画『ストレッチ(Stretch)』出演のため滞在していたタイのバンコク中心部のホテルのクロゼットの中で首と手首、性器にロープを結んだ状態で死亡しているのを発見されました。司法解剖の結果から、「自己発情窒息」として知られる、窒息状態で自慰行為をして性的な興奮を得る危険な性行為を行なっていたのではないかと推測されています。映画『ストレッチ(Stretch)』は彼の死後、2011年に公開を迎えています。

 3. マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)

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ハリウッドを代表するスターであると同時にセックスシンボルとして世界中を魅了したマリリン・モンローは、1962年8月5日、ロサンゼルスの自宅寝室で全裸で死んでいるのが発見されました。当時、『女房は生きていた(Something’s Got to Give)』を撮影中だった36歳のスターの死はマスコミで大々的に報道され、世界に大きな衝撃が駆け巡りました。死因はバルビタール剤(睡眠薬の一種)の過剰摂取による急性中毒であり、自殺の可能性が高いとも発表され、この結論が現在でも公式な見解となっています。しかし、部屋から赤い手帳が消えていたり、電話の通話記録が改ざんされた疑いなどが浮上し、ジョン・F・ケネディと不倫関係にあったことから、今なお謀殺説が叫ばれています。『女房は生きていた(Something’s Got to Give)』は、翌1963年、キャストと撮影陣を入れ替え、改めて 『女房は生きていた (Move Over, Darling)』(日本語題は同一、英語原題は異なる)として制作されています。

4. リバー・フェニックス(River Phoenix)

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リバー・フェニックスは、1986年の『スタンド・バイ・ミー』のクリス役で注目され、80年代末からスターダムへの階段を駆け上がるも、1993年10月31日に23歳という若さでドラッグのオーバードーズにより夭折したハリウッド俳優です。端正なルックスと素晴らしい演技力は、没後現在でも伝説的存在として語り継がれています。死因はヘロインとコカインの過剰摂取を原因とする心不全で、当時ジョニー・デップが共同所有者のひとりであったナイトクラブ、「ヴァイパー・ルーム」の入口付近で亡くなりました。当時撮影中で未完成のままお蔵入りされていた幻の遺作 『ダーク・ブラッド (DARK BLOOD)』が劇場公開を迎えたのは、死から実に19年後の2012年のことでした。

5. ジョン・リッター(John Ritter)

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映画『プロブレム・チャイルド/うわさの問題児』への出演で知られるジョン・リッターは、主演TVコメディ『パパにはヒ・ミ・ツ』の撮影中に倒れ、54歳という若さで急死しました。リッター亡き後、制作・放送続行が決定。リッターが死の直前に撮影した3エピソードが放映された後、番組はリッター演じるヘネシー家の大黒柱、ポールが死に、彼の家族が父、そして夫の死に直面しながらも新しい生活を築いていくという展開に変更されました。

6.フィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)

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『カポーティ』でアカデミー主演男優賞を受賞した実力派俳優、フィリップ・シーモア・ホフマンがニューヨーク市内の自宅アパートで死体で発見されたのは2014年2月2日、映画『ザ・ハンガー・ゲームズ:モッキングジェイ Part 2』の撮影があとわずか1週間で終わるというタイミングでした。享年46歳。遺体は腕に注射針が刺さった状態で発見されており、ヘロインを含む複数の薬物の過剰摂取による事故死とされ、現地警察は自殺の可能性を否定しています。俳優は若いころから薬物乱用で治療を受けており、最初にリハビリ施設に入ったのはニューヨーク大学を卒業した1989年でした。以来、24年間絶っていたヘロインを再び使用し始めたのが2013年。その後10日間のリハビリ治療を行っていたものの、ドラッグ依存は予想以上に深刻化していたようです。彼の死を受け、撮影中の映画は脚本が書き直され、すでに撮った映像を使うことで穴埋めがされることになりました。

7. ブランドン・リー(Brandon Lee)

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アクション俳優として将来を嘱望されながら28歳という若さで亡くなったブランドン・リーは、世界的なアクションスター、ブルース・リーの息子でした。主演映画『クロウ/飛翔伝説』の撮影中、マイケル・マッシー小道具の銃による発砲事故が発生。空砲の銃で撃たれるはずが偽物の銃弾の先端に付いていた金属に腹部を貫通され、ブランドンは命を落としました。1993年3月31日のこの出来事は、映画史上最悪の事故として語り継がれており、「忍者に暗殺された」など、死因にまつわる荒唐無稽な噂も都市伝説的に語られることになりました。映画はその後、CG処理で生前に撮影されたブランドンの映像を背景と合成するなどして未撮影分を補い1994年に公開を迎えています。

8. ブルース・リー(Bruce Lee)

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世界的に大ヒットした伝説的カンフー映画『燃えよドラゴン』の撮影から1ヶ月後、スタジオで音声吹き込み中に倒れたブルース・リー(享年32歳)は搬送先の病院で脳浮腫と診断されました。一時は意識不明の重体に陥ったリーでしたが、回復後は薬物治療を受けながら多忙なスケジュールをこなし続けました。次回作であった『死亡遊戯』の撮影中にリーが頭痛を訴え鎮痛剤を服用していたと共演者らは述べています。その後、再び意識不明の状態で発見されたリーは病院に緊急搬送されましたが、懸命の蘇生措置の甲斐なく死亡が確認されました。検視解剖の結果、鎮痛剤へのアレルギー反応によって脳が膨張していたことが明らかになりました。リーの急逝により『死亡遊戯』は一時的に撮影中断となり、脚本は大きく修正されました。

9. コリー・モンティス(Cory Monteith)

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アメリカのテレビドラマシリーズ『グリー(Glee)』のフィン・ハドソン役で一躍有名となったコリー・モンティス(享年31歳)は第4シーズンの撮影を終了し、第5シーズンの撮影を控えていました。しかし残念ながらモンティスが同シリーズに再び登場することは叶いませんでした。2013年6月13日、バンクーバーのホテルの一室で死亡しているのが発見されました。検視報告によると、アルコール飲用によって危険度が増した状態でヘロインを過剰摂取したことが死因であるとされています。亡くなる数ヶ月前、モンティスは薬物依存治療のためのリハビリ施設に入所していましたが、薬物を断ち切ることはできませんでした。当時モンティスと交際中であった『グリー』の共演女優リア・ミシェル(レイチェル・ベリー役)はボブ・ディランの名曲「Make You Feel My Love」を亡きモンティスに捧げ歌っています。

10. スティーブ・アーウィン(Steve Irwin

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スティーブ・アーウィンはオーストラリアの危険動物の「正しい」扱い方を紹介する人気テレビシリーズ『クロコダイル・ハンター』でホストを務め、世界的に有名になりました。動物愛護団体からの抗議により同シリーズが打ち切りとなると、アーウィンは野生生物のドキュメンタリー映像撮影を中心に活動を展開します。2006年9月4日、ドキュメンタリー番組を収録中のアーウィンを悲劇が襲いました。最後の作品となった『海の危険生物(Ocean’s Deadliest)』を水中で撮影中、アーウィンはアカエイに心臓を刺され出血多量により死亡しました。アーウィンがエイに刺され亡くなる様子を撮影した映像を除いた遺作『海の危険生物』は彼の死後、2007年にアメリカやカナダ、イギリスのテレビ番組で放映されています。

11. ナタリー・ウッド(Natalie Wood)

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1961年に映画化されたミュージカル『ウエストサイド物語』でマリア役を演じ世界的名声を得たナタリー・ウッド。一度離婚した俳優ロバート・ワグナー(『探偵ハート&ハート』出演)と二度目の結婚中、映画『ブレインストーム』の撮影期間の合間にウッドは、夫ワグナーと俳優クリストファー・ウォーケンとロサンゼルスにほど近いサンタカタリナ島にヨット旅行に出かけていました。その後、この映画スターが再びスクリーンに戻ることはありませんでした。1981年11月29日、水死体となって発見されたのです。検視報告によると全身に擦り傷や打撲の痕跡があり、その死因に様々な憶測を呼びました。ワグナーとウォーケンは知らない間にウッドが船からいなくなっていたと述べています。死亡状況の真相については現在も不明のままです。『ブレインストーム』は2年間の撮影中断期間を経て、ウッドのスタント女優と似た声の声優を使いようやく完成しました。

12. ポール・ウォーカー(Paul Walker)

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『ワイルド・スピード』や『フルスロットル』への出演で知られる米男優ポール・ウォーカー。俳優業の他、2010年には自然災害の生存者達を支援するチャリティ団体「リーチ・アウト・ワールドワイド」を設立すなど、慈善活動にも熱心でした。しかし2013年、同団体主催のチャリティーイベントからの帰路、友人でレースドライバーのロジャー・ローダスが運転するポルシェに同乗し衝突事故に巻き込まれ他界。車は制限を超える速度で走行していたと見られ、車は街灯と木に衝突後、炎上。2人とも即死でした。運転していたビジネスアドバイザーの男性もこの事故で亡くなっています。撮影中だった映画『ワイルド・スピード』第7作の製作は一時休止されましたが、その後、撮り終えていなかったシーンを実の弟が代役を務めて完成しています。

13. ヘザー・オルーク(Heather O’Rourke)

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弱冠5歳にしてスティーヴン・スピルバーグ製作の映画『ポルターガイスト』にキャロル・アン役で出演した子役ヘザー・オルークは、当時天才子役として騒がれていたドリュー・バリモア(映画『E.T.』出演)とオーディションで競い合い役を勝ち取りました。大人顔負けのオルークの高い演技力に世界中の観衆は圧倒されました。伝説的な名台詞、”They’re here!”(「あの人達よ!」)は80年代ホラー映画の象徴となったほどです。

しかし実生活ではオルークは健康問題に悩まされていました。幼い頃から腸狭窄(腸管が狭くなり物を通しにくくなる症状)を患っており、深刻な痛みを訴えるオルークに医師は炎症性腸疾患であるクローン病との誤診を下し、コルチゾン(副腎皮質から分泌されるホルモンの一種で、外傷を受けたときなどに分泌され、炎症を抑える働きがある薬)を処方します。1988年2月1日、『ポルターガイスト3』の撮影中、オルークの症状は悪化し病院に急送され、緊急手術中に死亡が確認されました。わずか12歳でした。誤診によって見落とされていた腸閉塞症による敗血性ショックが死因でした。オルークの死から4ヶ月後に公開された『ポルターガイスト3』には「少女の霊に捧ぐ…」というサブタイトルが付けられました。オルークの急死によりラストシーンは変更され、スタント子役が演じました。

14. アリーヤ(Aaliyah)

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『ロミオ・マスト・ダイ』でのスクリーンデビューを果たし、『クイーン・オブ・ザ・バンパイア』でアカーシャ役を演じた伝説的R&Bシンガーのアリーヤ(享年22歳)は『マトリックス・リローデッド』のジー役として出演することも決定していました。映画で精力的に活動する一方、ミュージシャンとして華々しいキャリアを築きつつあったアリーヤのショービジネス界での輝かしい将来は約束されたようなものでした。2001年8月25日、バハマで最新作『Rock The Boat』のPV撮影を終えたアリーヤは搭乗員を含む7人のスタッフとマイアミに向かうプライベートジェットに搭乗していました。離陸直後、小型機は滑走路からわずか数百メートル離れた地点に墜落、搭乗者全員即死でした。墜落現場の捜査結果から機体は300キロ以上積載オーバーであったことに加え、パイロットの遺体からコカインとアルコールの吸引摂取した状態であったことが判明しました。出演が予定されていた『マトリックス・リローデッド』のジー役はノーナ・ゲイ(歌手マーヴィン・ゲイの娘)が代わりに演じました。同映画の特別版DVDでアリーヤの登場シーンを見ることができます。

15. ジェームズ・ディーン(James Dean)

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車好きで知られたハリウッド俳優ジェームズ・ディーンはキャリアの絶頂期に残酷な運命によってその将来を絶たれました。遺作となった映画『ジャイアンツ』で渾身の演技を見せた50年代ハリウッドのアイコンは24歳の若さで悲惨な事故により命を落としたのです。友人の自動車整備士ラルフ・ウッタリックを同乗し、新車のポルシェ550スパイダーを運転していたディーンは、夕刻暗くなった車道をヘッドライトを点けずに走行していました。交差点に差し掛かったディーンのポルシェの正面に学生の運転するフォード車が大きくはみ出し左折してきました。咄嗟にブレーキを踏んだディーンでしたが間に合いませんでした。フォード車の側面に激突したのです。衝突の際、ウッタリックは車外に投げ出され骨折ですみましたが、ディーンは大破した車内で事故の衝撃を全身に受けた状態でした。二人はただちに病院へと急送されましたが、ディーンは既に手遅れの状態でした。『ジャイアンツ』の撮影はほぼ終了していたものの、ディーンの急死によりラストの数場面を俳優ニック・アダムスがディーンの声色に似せて吹き替え修正されました。

16. ジョン・キャンディ(John Candy)

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『ブルース・ブラザース』、『スプラッシュ』、『おじさんに気をつけろ!』、1988年冬季オリンピックで功績を立てた実話を映画化した『クール・ランニング』など、70年代から90年代にかけて人気を博した巨漢コメディアン、ジョン・キャンディ。その後の活躍がさらに期待されていたものの、映画『ジョン・キャンディの大進撃』を撮影中の1994年3月4日、就寝中の心臓発作により43歳の若さで亡くなりました。心臓系疾患によって今が盛りというときに早死してしまったのは太り過ぎが原因と考えれています。実質的な遺作となったマイケル・ムーアが監督した同作品は、彼の死後に公開を迎えました。

俳優本人が完成作品を見ることは叶いませんでした。しかしその魂は作品の中で生き続け、私達を魅了し続けてくれることでしょう。

プレビュー画像:©︎imago/ZUMA Press

映画の撮影中に命を落とした16人のスターたち!7番目は、特に大きな打撃だった。映画の撮影中に命を落とした16人のスターたち!7番目は、特に大きな打撃だった。