【W杯】スペイン人はあまりにもバカげた移籍金でやって来た日本人を笑った。しかし2018年彼は奇跡を起こす。

ロシア、サッカーワールドカップで日本代表とベルギーが激突しました。ベルギーはケヴィン・デ・ブライネ選手などのスター選手を擁する欧州屈指の強豪。 世界ランクは3位で、まさに黄金時代を築いていると言っても過言ではないチームです。結果として日本代表はその「赤い悪魔」の底力の前になすすべもなく散りました。しかしもしみなさんが試合を見ていたのであれば、記憶に残らずにいられない選手がいたはずです。

ベルギー戦で強烈な無回転シュートをベルギーのゴールポストに叩き込み、世界中を驚愕させたその選手の名は乾貴士。ハリルホジッチ前監督のままであれば、選ばれてさえいなかったはずの選手です。この乾選手は、長い間その実力に見合うほどの注目を浴びてはいなかったと言えるかもしれません。

乾選手のプロ生命は2007年に横浜F・マリノスに入団するところから始まります。しかしマリノスの選手層の厚さに、なかなか出場機会を得られずに苦しみます。そのため2008年にセレッソ大阪に移籍。ここでは出場機会に恵まれ、徐々にプロとしての力を磨いて行くのです。しかし好調だったにも関わらず、乾選手は世界との壁をこの時点から意識していたに違いありません。2011年、ドイツ2部のVfLボーフムに移籍することで海外への扉を開きます。

そこでも活躍したものの、チーム全体の調子が悪く、1部昇格することはできませんでした。そして2012年、今度はフランクフルトに完全移籍。ここでもまた活躍した時期はあったものの、次第に出場機会は減ってしまいます。

そして2015年、乾選手にとって念願の地だったスペインの、SDエイバルに完全移籍を果たします。その時の移籍金はなんと30万ユーロ(約3800万円)。これは「バカげた」金額でした。なぜなら、ヨーロッパの選手移籍金額は通常、数億円はくだらないと言われるからです。「とんでもなく安い金額」で、この日本人選手はスペインにやって来たのです。

スペインに渡りしばらくは、慣れない環境での適応に苦しみ、もがく時期が続きます。しかしここでも徐々に力をつけ、出場機会を増やして行きます。

スペインの新聞はのちに、こんな言葉を書き綴っています。
「30万ユーロという、いま思えばバカげた移籍金でこのテクニシャンはスペインにやって来た。その後の活躍を考えれば、エイバルにとってはどれだけ価値の高い補強になったことか…」

そしてその実力が大爆発するチャンスは、ワールドカップ・ロシア大会という大舞台でやって来ます。監督の交代劇で代表に滑り込んだ乾選手。セネガル戦では2得点に絡む大活躍を見せ、日本の決勝トーナメント進出に大きく貢献。さらに欧州屈指の強豪ベルギー相手に、まさに奇跡と呼ぶべきシュートをぶち込みました。身長2メートル、ベルギーの守護神と言われるティボ・クルトゥワでさえも反応出来ないような強烈なシュートに、イギリスのメディアも
「日本による素晴らしいフットボールだ。矢のようなシュートで、世界最高のキーパーを破った。パワーと正確性、全てがそこにあった。最高のシュートだね」
と興奮を隠せません。

結果として日本代表は黄金時代真っ只中の赤い悪魔の底力の前になすすべもなく散りました。しかし辛口と言えるイギリス・BBCの採点では、乾選手は圧倒的最高得点となる8.41をマーク。また乾選手だけでなく、日本選手全員が7点以上となる稀に見る高得点を叩き出しました。

決してサッカーの強豪国ではなかったはずのこの戦いぶりに、イギリス、スペイン、イタリアそしてドイツのメディアなどが日本の健闘を称えました。またドイツの中継では元ドイツ代表ゴールキーパー、オリバー・カーンも大興奮しながら見守っていました。

今まで他の選手に埋もれがちだったその才能は、30歳にして過激に咲き乱れたのです!

いかがでしたか?乾選手は、自分が活躍できる場所を長い間探し求め続け、日の目を見ない時も腕を磨くことを怠りませんでした。日本には古来から、「同じところにいて、辛抱を続けろ」というような風潮がありますが、今の時代は自分からどんどん居場所を開拓して行くような努力のスタイルもまた存在しえるということでしょう。乾選手はまだまだ挑戦の途中。きっとこれからも日本、ひいては世界中のサッカーファンを魅了していくに違いありません。

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