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飼い主がシェアする”マスク”をつけた秋田犬ジャックスの悲しい物語

「今これを書きながらも、涙が止まらず、悲しみに押しつぶされそうです」

トニーとリンジーはFacebook上のオンラインコミュニティで、彼らの愛犬ジャックスが亡くなったことをこう報告しました。

「1週間前からジャックスは食事をとらなくなり、支えてあげなければ、立っていることも歩くこともままならず、臓器が少しずつ機能しなくなりはじめました。ジャックスをこれ以上苦しませないために、私たちは苦渋の決断をしなければなりませんでした。ジャックスは、自分を愛するたくさんの人々に囲まれ、虹の橋に向かいました」

「ジャックスはオンラインで、そして直接に、何千人もの人々の心に触れてきました。彼に会う機会があった人は、誰でも、彼の堂々とした姿、幸せそうな表情をご覧になったことでしょう。ジャックスは笑顔と目が魅力的でした。あれほど感情のこもった表情をする犬を私は見たことがありません」

「彼を見た人は、それが写真であったとしても、彼の幸せそうな様子、彼の笑顔が気持ちを明るくしてくれると言ってくれました。彼のまなざしは、まるで見る人の心の奥を見通しているかのようでした」

「多くの人はご存知ですが、ジャックスはUDS(ブドウ膜皮膚症候群)でした。UDSが彼の美しい『マスク』の理由です。この美しさのおかげで、私たちは、他の飼い主たちに、この本当に恐ろしい病気について知ってもらうことができました。早期発見と適切な治療につなげてほしいと願っています」

UDSの秋田犬ジャックスの飼い主であるトニー・モディカとリンジー・モディカはインタビューの中で、「UDSは犬の免疫系が皮膚の色素細胞と目の後部の感光性細胞に対する抗体を産生する珍しい病気」だと説明しています。

一番目立つ症状は、毛が白くなることですが、目も赤くなり、痛みもあります。皮膚や毛の問題は美容的な問題ですが、眼の問題は失明につながります。

トニーとリンジーが言うように病気をコントロールするには早期治療が必須ですが、「獣医師が正しく診断できないことが多く、この病気が早期発見されることはほとんどありません」

UDSは一般にあまり知られていません。「ジャックスは5カ月近く誤診されていました。アレルギーだと診断され、治療はまったく効果がありませんでした」

特に失明のおそれがある場合には、症状の悪化を抑えるために非常に積極的な治療が必要です。しかしジャックスの直接的な死因は、UDSの進行ではなく、治療に必要な薬剤を高用量で投与し続けたことによる長期的な副作用でした。

トニーとリンジーは、この病気に対する認識を高めようとしているだけではありません。無責任なブリーダーたちがこの病気を食い止めようとしないことに憤っています。

UDSは遺伝性疾患です。ブリーダーは、犬がこの病気にかかっていることがわかった時点ですぐに同系の繁殖をやめなければなりません。

しかし、ブリーダーは新しい交配を始めるための経済的負担を避けようとすることが多く、一方ブリーダーのそのような意識を問題にしない利用者が多いのも事実です。モディカ夫妻は、亡くなったジャックスの物語を広めることで、UDSや不誠実なブリーダーに対する人々の関心をもっと集めたいと考えています。

夫妻にとってジャックスとの時間がかけがえのないものでした。「ジャックスを応援してくれた皆さんに感謝します」とトニーとリンジー。「ジャックスは必死に戦いました。旅立つ前に、ジャックスは、まるですべて大丈夫だよ、と言うように私たちに大きな笑顔を見せてくれました」

「私たちはいつまでもあなたを愛しています。もう痛みを感じることなく、走りまわって遊ぶことができますね。その時がきたら虹の橋まで迎えにいくから待っていてください。早すぎるお別れは辛いけれど、ジャックス、安らかに眠ってください」