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びっくり

事件で兄を失った弟が法廷で被告にハグをした。理由を知った瞬間、被告女性はその場に泣き崩れた

2018年9月6日、痛ましい事件がアメリカ・テキサス州で起きました。当時警察官だった女性が、自宅と勘違いしてひとつ上の階の部屋に入り、そこの住人だった男性を侵入者と勘違いし、銃で射殺してしまったのです。

ただの「勘違い」で男性を射殺したその女性、アンバー・ガイガー被告(31)は全米の非難の的となっていました。さらに、わずか26歳でこの世を去った被害者のボッサム・ジーンさんがアフリカ系であったことから、人種的な問題も絡み、この事件の裁判の行方はアメリカ中の注目を集めていました。

検察側は禁錮28年以上を求刑。しかし、弁護側はガイガー被告の人生や、警官としてこれまでのキャリアを考慮して、刑期を短くするよう陪審員に求めていました。

そして2019年10月2日、ついに判決の日が訪れます…下された判決は、禁錮10年。
「この判決に対し、何か言いたいことはありますか?」
裁判官からそう尋ねられ、口を開いたのは、被害者ボッサムさんの弟・ブラントさん(18)でした。

そしてブラントさんの発言と行為は、世界を感動に包みます。

YouTube/CNN

「あなた(ガイガー被告)はもう知っているでしょうが…私たちにとって、喪失はあまりに大きいものです。しかし…もしあなたが本当に、あなたの行った行為を心から悪いと思っているのであれば…私はあなたを許します。きっと神も同じことをするでしょう。そして他の人と同じように私はあなたを愛します。あなたには刑務所に行ってほしいとさえ思わないんです。ただ…あなたの人生にベストを望みます。きっと兄も、それを望むでしょう…」

そして涙を流しながらこう続けます。

YouTube/CNN

「もし…可能だったら…彼女にハグしてもいいでしょうか?…お願いします」

少しためらったのち、裁判官は「イエス」と答えました。

YouTube/CNN

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事件の加害者と、被害者の弟は、50秒もの間ハグを交わしました。その光景に法廷中から嗚咽の声が漏れました。

いかがでしたか?許すという行為には勇気が伴うもの。兄を殺され、憎いはずの加害者に理解ある態度を示したブラントさんには、世界から称賛が集まっています。もちろん、これでガイガー被告の罪がなくなるという訳ではありません。しかしブラントさんのこの気持ちを受け取って、どれだけ心が軽くなったことでしょう。しかしこの「許し」によって本当に救われたのは、ブラントさん本人でもあるのかもしれません。

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