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ミステリー

【ミステリー】ギリシャ沖に眠る沈没船から発見された謎の物体。それが何か知って言葉を失った。

沈没船から財宝が発見された!というニュースは、どこかロマンがありますよね。でも海に沈んだ難破船の中から見つかるモノは、もちろん金銀財宝だけではありません。

今からおよそ120年前の1901年、地中海に浮かぶギリシャの島・アンティキティラ島沖で、1隻の沈没船が発見されました。海底深く沈んだその難破船から引き揚げられた物体を見た当時の学者たちは、わが目を疑いました。まずはこちらから、その物体の写真をご覧下さい。

のちに「アンティキティラ島の機械」と呼ばれるようになるこの物体は、81個のパーツに分裂した状態で回収されました。残念ながら、長期間海水に浸かっていたことで腐食がかなり進み、機会の表面に文字が書かれていることは分かりましたが、それが何を意味するのか読みとることは、発掘当時の技術では不可能でした。歯車のような内部の構造は非常に複雑で、こちらも当時の人々の技術や知識では、解明することができなかったのです。

しかし、発見から約100年後の2006年11月、遂に「アンティキティラ島の機械」の正体が解明されます。「アンティキティラ島の機械」研究チームは、3D解析機やX線分析といった最先端技術を駆使し、機械の表面に記された文字や内部の複雑な構造を細かく立体的に分析することに成功したのです。

調査の結果、「アンティキティラ島の機械」は、紀元前150年前に作られた天体観測機兼カレンダーであることが判明。表面に書かれていた文字はその取扱説明書のようなもので、太陽と月、ならびに太陽系惑星の位置、日食・月食の周期、さらには4年に1度のうるう年の計算まで可能であったというから驚きです。「アンティキティラ島の機械」が世界最古のコンピューターと呼ばれているのもうなずけますね。

「アンティキティラ島の機械」の天体観測機能を使って、当時の人々は全知全能の神・ゼウスに捧げる神事として開催された競技会オリンピアの開催年、開催地を計算していたそう。しかし、驚くのは紀元前に作られた機械にも関わらず、その精度や構造が近代技術に相当するものであったということだけではありません。

その良い例として、月の軌道が楕円形をしていることは当時知られていなかったのにも関わらず、「アンティキティラ島の機械」は楕円形の歯車を使用して月の軌道パターンを模倣していたことが挙げられます。

誰が「アンティキティラ島の機械」を発明・製造したのかについては、未だ深い謎に包まれています。しかし、古代ギリシャ人の科学力が、部分的ではありますが、18世紀の西洋科学に匹敵する発展を遂げていたことが確認できるという点で、「アンティキティラ島の機械」は他に類をみない世紀の大発見と言えるのはないでしょうか。