カナダ・バンクーバーで21年間カンやビンを拾い続ける女性|換金して得る現金の使い道が話題になる

空き瓶などのデポジット制度を知っていますか?缶やガラス容器、プラスチック容器などに予め「デポジット(預り金)」を上乗せして販売する制度で、容器を返却すれば、デポジットが返金される仕組みです。 空き缶や空き瓶の回収率を上げようとこの制度を設けている国も多いですが、お金に困っている人は転がっている空き瓶を拾い集めることである程度の金額を手に入れることができ、そして政府は空き瓶やペットボトルを回収できると言う、国民にとっても国にとってもメリットになりえる制度です。

この制度を導入している国としてはカナダが有名ですが、カナダ・バンクーバーで起こった出来事はみなさんの想像を超えるものです。

小柄な62歳の女性、ジア・トランさんは毎日のようにB.C. Cancer Foundation(ブリティッシュコロンビア州ガン協会)のオフィスに現れます。弾けるような笑顔のトランさんは、ここを訪れると職員にいつも現金の寄付を手渡しているのです。

職員は言います。

「いつもこうなんです。満面の笑みで、こう言うんです。『ここにいるみんなが好きで、助けになりたいんです』って」

そう聞くと、トランさんはチャリティーに熱心な裕福層であるという印象を受けるかもしれません。しかしそれは違います。なんとペットボトルやビンを拾い集めて、換金して得た現金を寄付しているのです。それも21年間、ずっとです。

トランさんの子供たちは、気温が低い日にもビン拾いに出かける母親を止めようとしますが、トランさんは、「人々を助けたい」と言って瓶拾いに出かけてしまいます。公園などに空き缶や瓶が溢れる夏場の瓶拾いは冬場に比べると楽だそうですが、できるだけ瓶よりも軽い缶を選んでいるそうです。

トランさんは、どんなに荷が重くとも歩くようにしています。バスの運転手に「そんな量のビンは持ち込めない」と言われたことがあるからです。オフィスまでの道のりは片道45分。冬で足場が悪い時は1時間半かかります。

なぜトランさんが寄付を始めたのか、実は本人にすらよく分からないと言います。トランさんがただひとつ確かに言えることは、「理由は分からないけど、人々が幸せになると、自分も幸せな気分になる」こと。そんなトランさんがB.C. Cancer Foundationのオフィスに現れるのを、職員たちはみんな待っているのだそうです。トランさんの姿は、もはやオフィスになくてはならない存在なのです。

職員の一人は言います。「トランさんはいつも変わらぬ笑顔で訪れる。嫌なことがあった日でも、彼女の優しさだけに触れると、悲しい気持ちも吹き飛ぶんです」

これまででトランさんが団体に寄付した金額は日本円にして200万円近くにのぼります。しかしこのコミュニティの人たちにとって、重要なのは金額ではありません。トランさんの人々を助けたいというその温かい心こそ、職員全員が毎日待っているものなのです。

出典

CBC News

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