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ジーンとくる話

飼育放棄された猫、重さ2キロのドレッドヘアから解放!

動物保護施設で施設長として勤務しているリズ・ベゴヴィッチ。ある朝、いつものように出勤し施設玄関のドアを開けようとしたリズは、エントランス横に置かれた運搬用ケースに気がつきました。格子状のケースの隙間を見た瞬間、リズは仰天します。なんと、ケースの中にはモジャモジャ毛皮の動物の姿が!すっかり毛皮が絡まったその動物の正体が何なのか、リズには検討もつきませんでした。ともあれ、同僚と共に動物の入った重いケースを施設内に運び入れました。

謎の動物の体の大きさや重さから、リズたちはその動物が犬だと予想していました。しかし実際にケースから出してみると…

「ケースの蓋を外して中を見ると、なんと猫だったのです!動物に関わる仕事をしていますが、こんな状態の猫を目にするのは初めてでした」とリズ。

猫がこれまで飼育放棄されていたことは明らかでした。テーブルに横になったまま、モジャモジャに絡まった毛皮の塊のせいでまともに動くことすらできなかったのです。しかも運動不足による体重過多でした。このような状態に至るまで、おそらく数年間このままで放置されていたのでしょう。

「すぐに動物病院に連れて行き、麻酔をかけ過剰な毛を取り除きました。刈り取られた毛の塊は合計2kgにも達しました」

しばらくして麻酔から目覚めた猫は、分厚い毛皮の鎧から解放され再び自由に動ける身を手に入れたことを、当初は理解できないようでした。しかし数時間経つと新しい姿にも慣れたようでした。ドレッドヘアのような以前の毛皮にちなみ、リズは猫を「ボブ・マーリー」と名付けました。

ボブ・マーリーを保護すると同時に、リズは保護施設玄関に取り付けられた監視カメラの映像を確認します。するとカメラには運搬ケースを玄関ドアの前に置き、暗闇に消える男性の姿が捉えられていました。リズはすぐに警察に通報し、映像を警察に提出。警察はFacebookページを通して、この男性の特定に繋がる情報を求めていますが、今のところ有益な情報は寄せられていません。

とはいえ、施設にボブ・マーリーを置き去りにした人物が飼い主であるかは定かではありません。もしかしたら、どこかで猫を発見し、保護のため施設へ連れて行ったという可能性もあるからです。

受難から解放されたボブ・マーリーは現在、温かな家庭に引き取られ生活しています。新たな飼い主のおかげで、肥満体から健康体へとダイエットも順調に進んでいます。長年愛情に飢えていたボブ・マーリーですが、ようやく愛情に溢れた家庭を手に入れることができました。おそらく10歳だと推定されるボブ・マーリー、これからは幸福に暮らせますように。