えらい
母に無理やり『ボヘミアン・ラプソディ』に連れていかれた小学生。翌朝ノートに書きつけられた文章に笑いが止まらない。
日本でも大ヒットを記録している『ボヘミアン・ラプソディ』。伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカリストのフレディ・マーキュリーが、1991年に45歳の若さでこの世を去るまでを描く伝記的映画です。日本でのクイーン人気も相まって、2018年の洋画興行収入ランキングでは4位にランクイン。派手なアクションや視覚効果のない映画としては圧倒的な数字を叩き出しました。
みなさんの多くがすでにご存知のように、フレディの人生は決して平凡なサクセスストーリーではありませんでした。晩年は、HIVに感染しエイズ発症していることを公表したそのまさに1日後に息を引き取り、世界に衝撃を与えたことを覚えている人もいるでしょう。
そんな事実を知っている往年のクイーンファンなら映画のラストのライブ・エイドのシーンは涙なしで見ることはできないでしょう。しかし心揺さぶられたのは、どうも古参のファンだけではないようです。
Twitterで、ある人物が書いた『ボヘミアン・ラプソディ』の感想文が話題になっています。
【クイーン】
今日「ボヘミアン・ラプソディ」を見に行きました。
字幕つきの、えいがをえいがかんで見たのははじめてです。
大人ようのえいがだから、子どもはぼくだけでした。
お母さんが、しんぱいして特大の、
ポックラポーン(?)を買ってくれました。
でも!えいがはものすごく、かんどうしました。
さいごの大きい「ライブ・エイド」のステージでフレディがピアノをひいて…
「ママ~ジャスキルダマーン!(Mama, just killed a man)」と、歌い出した時ぼくは思わず泣いてしまいました。
なおらない「エイズ」になって、こどくで、なのに「ライブ・エイド」ではものすごくかっこよかったです。
「びょうきなのに、がんばったんだなぁ。」
そう、この感想文を書いたのは小学校2年生の男の子!フレディが亡くなってから、20年ほど後に生まれたこの少年は、当然クイーンのことなど知りませんでした。
クイーンのファンだった少年の母親は、どうしてもこの映画が観たくて、帰りにオモチャの福袋を買ってあげることを条件に息子を誘い、映画に連れて行ったそうです。でも、小学2年生が見るにはその文脈を理解するのが少し難しい映画ですね?!
だからこそ、この少年が映画館で泣き出したときには、母親はとても驚いたと言います。何の予備知識もない純粋な心に、フレディの歌が突き刺さったのかもしれませんね。
それからというもの、この男の子はもうクイーンに夢中。フレディになりきって、お風呂の湯船を叩きながら『We will rock you』を歌ったりしているそうです。
しかし変化はそれだけではありません。母親に、エイズという病気のことについて色々質問したり、同性愛について尋ねたりしもしたようです。作品の背景となっている事象にも、強い関心を抱いたのでしょう。
いかがでしたか?クイーンのファンが世代を超えて増えていくことは嬉しいですね。しかし本当に素晴らしいことは、こういった作品をきっかけにして、マイノリティや苦境にいる人の心情に少しでも思いを馳せることができる心を持った子供たちが育っていくことではないでしょうか。この男の子もきっとそんな大人に成長するでしょう。ぜひシェアしてくださいね!