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ストーリー

台湾の小学生は貝殻に包まれた日本の物体を浜辺で発見する。その中の物を見てドキドキしチョットだけ目を逸らしたくなった。

沖縄から飛行機で1時間半ほどで行けてしまう身近な海外、台湾。地理的に近いこと、そして日本が窮地に陥るたびに、支援を申し出てくれる国として強い親近感を抱いている人も多いでしょう。 実は台湾の人々も同じように日本にはかなり好意を抱いているようです。それを証明するかのような出来事が2018年に起きていたことを、皆さんご存知でしょうか?

2018年3月27日。台湾の小学校の教員であるリー先生は、遠足で子供達を引き連れて浜辺を訪れていました。すると児童の一人が、浜辺で貝殻に包まれた何やら固いものを発見するのです。

恐る恐る調べてみると、それは防水ケースに入った、デジタルカメラだったのです!

ケースに入っていたため、カメラは全く問題なく機能しました。ぜひ持ち主を探したいという児童たちの思いから、リー先生はカメラのデータを見てみることにします。そこに残されていたのは、石垣島の町並みや、イルカたちとダイビングをしている最中の写真でした。そして写真撮影の最後の日付は、2015年9月7日…2年半も前だったのです!

リー先生は早速、行動に乗り出しました。プライバシー侵害にならないように注意深く写真を選定した上で、数枚の写真をFacebookにポストし、持ち主を探そうと試みたのです!

以下は、実際にリー先生が中国語と共にFacebookにポストした内容です。

海を渡ってきたカメラ、持ち主の元に戻れるか
 本日、台湾の岳明小学校が行ったビーチクリーンイベントの中で、沢山な貝が付着した水中カメラが見つかりました。防水ケースを開けてみたら、まだ使えそうなカメラが現れました。本当はよくないと思いますが、持ち主の情報を掴むために私たちは写真データを確認しました。写真の最後の撮影日は2015年9月7日であることが分かりました。恐らく持ち主がその日にこのカメラを無くしたのではないかと考えられます。
 私たちの推測は、
 ・持ち主は日本人でしょう。撮影の場所から見れば、日本の石垣島である可能性が高い。写真に写る方も日本人のようです。
・持ち主は若者でしょう。家族との写真だけではなく、ダイビングの写真もあります。ダイビングの写真はとても綺麗ですが、個人情報のため、数枚しか公開しません。
・持ち主の元に返したいため、私たちはやむを得ずに写真を公開することを決めました。大変申し訳ございませんが、メディアとか転載とか、持ち主を探す手伝いをしていただけませんでしょうか。
・持ち主本人、あるいは写真の人について心当たりがある方、ぜひ連絡するようにお願いします。Facebookでのメッセージ、あるいはEメールでもいいです。私たちは、カメラを返します。


投稿されるやいなやポストは1万回以上もシェアされ、なんとその翌日に持ち主の女性からリー先生に連絡が来たのです!持ち主は東京在住の大学生。石垣島でダイビング中にカメラを紛失してしまったとのことでした。

女性は2年半も経った今になってカメラが返って来たことに驚きを隠せないと同時に、持ち主を見つけようとしてくれた台湾の人々に深く感謝し、同年4月には実際に台湾を訪れて先生や児童に感謝の気持ちを伝えました。

びっくりするような出来事ですが、実は2016年には、台湾でダイビング中にカメラを紛失してしまった台湾人女性のもとへ沖縄の人が流れ着いたカメラを届けてあげるという正反対の出来事が起きています。常に持ちつ持たれつ、なんですね。

これからも、日本と台湾がお互い助け合える関係でいられることを祈るばかりです!

プレビュー画像:©︎Facebook/Park Lee