ちえとくをフォローする

ネットで話題

【世界を席巻した一枚の写真】見ず知らずの赤ちゃんに授乳させる女性警察官

2018年8月14日に撮影された1枚の写真が世界各国で大きな話題を呼びました。女性警察官セレステ・ジャクリーヌ・アヤラが見ず知らずの赤ちゃんに授乳している写真です。母性を象徴する授乳という行為を捉えたこの写真は、世界中で大きな話題となりました。

任務先のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの小児病院「マリア・ルドヴィカ病院」で間も無く勤務時間を終えようとしていた若い女性警察官。そこへ小さな赤ちゃんが搬送されてきます。

母親がこの赤ちゃんを育児放棄していることは傍目にも明らかでした。栄養失調でやせ細り、衛生状態も悪く、大声で泣き続けていました。しかし、搬送当時、病院のスタッフは他の急患に付きっきりになっており、すぐに赤ちゃんの面倒をみることができる者はいませんでした。そこで病院関係者に代わり、セレステは率先して赤ちゃんのお世話をすることにしたのです。

「しきりに手を口にもっていく赤ちゃんの姿を見て、空腹だということにきづきました。そこで病院関係者に赤ちゃんに授乳してもよいか尋ねました」と、自身も乳児の母であるセレステは語ります。

「辛い思いでいっぱいでした。子を持つ母として、このような状態に置かれた赤ちゃんの姿に胸が痛みました。こうした環境にある子供たちに対して社会はもっと注意深く目を配るべきです。このような体験を子供が味わうべきではないのです」

セレステの同僚であるマルコス・エレディアはこの胸が熱くなる場面に立ち会い、育児放棄に対する社会的関心の喚起を図るため、撮影した写真をインターネットに投稿しました。

「世界にこの愛情に溢れた行動を示したかったんだ。見ず知らずの赤ちゃんに実の母のように救いの手を差し伸べる。赤ちゃんの汚れや臭いなどを気にせず、迷うことなく、人として咄嗟の行動に出ることができるセレステを尊敬するよ。そうそう目にすることのできない献身的な行為だった」

赤ちゃんには5人兄弟がおり、その幼い兄弟たちも同様に育児放棄状態にありました。6人の子供達はまもなく里親に引き渡される予定です。

セレステの温かな献身は上司の目にもとまり、数日後には昇進が決定しました。

我が子に対してだけでなく、助けを必要としている子供に見過ごすことなく救いの手を差し伸べ、必要とあれば迷うことなく授乳させる無私の心。市民の良きお手本ともいえる素晴らしい警察官ですね。