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流氷の上で漂流する狐、漁師によって救出される

先月、クリフ・ラッセルと漁師仲間のマロリー、その息子アランはカニ漁の小型船「Northern Swan号」で北大西洋の西側に位置するラブラドル海に漁に出ていました。寒流が流れ込む漁場に到着した3人は、遠く離れた海面に浮かぶ流氷の上を動く奇妙な影に気づきました。

影の正体を突き止めようと流氷に接近した3人のカニ漁師らは、すっかり痩せ衰え氷にしがみついている小さなたホッキョクギツネを発見します。おそらくまだ若く経験の浅いキツネが獲物を求めて流氷の上を探索するうちに、カナダ西岸から約1.5km沖合にまで流されてしまったのでしょう。流氷が壊れたらキツネは海に投げ出されてしまいます。

流氷の崩壊は時間の問題です。3人は、破滅の運命を氷の上で待つキツネを見過ごすのではなく、窮地から救い出すことにします。しかし、船に乗せようとすると、怯えたキツネは極寒の海に飛び込んでしまいました。なんとかアランが波間に網を投げ入れ、衰弱しきったキツネを救助します。

寒さに凍えた小さなキツネは船上で不安げな様子。3人からできるだけ離れた船尾に這って移動したきり、すっかり怯えて動こうとしませんでした。クリスたちはプラスチック製の箱にかんなクズをかんなくずを詰め、怯えきった濡れたままのキツネを中に入れました。

空腹のキツネに食べ物を与えようとしたものの、疲労と恐怖から食事を受け付けようとしません。

「最初の5〜6時間は何も食べようとしなかったよ。動物用の餌なんて持っていないから、チップスやクラッカーをあげたけど、食べる気配はなかったね。その後しばらく眠って起きてから、缶詰のソーセージをなんとか食べさせることができたよ」と船長のクリフはキツネの様子を振り返ります。

ソーセージを食べて元気を取り戻したキツネは、すっかり落ち着いた様子です。

その後まもなく、3人の漁師とキツネを乗せた船はホッキョクギツネが生息する沿岸地帯に到着。キツネを自然に返すにはうってつけの場所です。まず3人は海岸付近に放置された犬小屋にキツネを寝かせ、キツネが十分に回復し自ら外へ出て行くまでそっと見守ることにしました。程なくして、堅い大地の上に再びいることに気づいたキツネは、辺りを伺うとすぐに大自然の中へと戻って行きました。

ホッキョクギツネが自然へと戻る様子はこちらから視聴できます:

もし偶然にもクリフたちに発見されなければ、キツネの命は海に消えていたでしょう。幸いにも生きるチャンスを手にしたキツネ。きっと今後は危険を冒し流氷の上を探索することもないでしょう。良かったですね!