えらい
結婚式のさなか、新郎が立ち上がって走り去っていく。まさにギリギリ!
コーディ・キャンベルとケリーは幸せの絶頂にいました。彼らはその日、アメリカ・カリフォルニア州のランチョ・サンタ・マルガリータという町にある素朴な地元のクラブで、家族や友人たちを招いて結婚式を開いていたのです。全てがこれ以上ないくらいに順調でした。
コーディはロサンゼルス消防署に勤める消防隊員です。友人がスピーチを求められ、彼についてこのように話したのも頷ける話でした。「もし僕が消防に助けを求めるようなことがあったら、そのときは君みたいな消防隊員の人に来てもらいたいと思うよ」
彼の言葉に新郎新婦を含めその場にいた全員が笑い、拍手を送ります。しかし、彼のこの言葉がその直後に起こる出来事を予言したことになるとは、このとき誰も予想だにしていなかったに違いありません。友人からのスピーチが続いていく中、突然会場にコーディの母親の叫び声が響き渡ったのです。
皆があたりを見回すと、なんと客の一人がのどを詰まらせ呼吸ができない状態になっていたのです。彼女はのどのあたりを抑え、呼吸をしようと苦しそうにもがいています。次の瞬間、コーディは考える時間もなく席を飛び上がると、全速力で彼女の元へ駆け付けました。
ライフセイバーとしての訓練も受けているコーディは、ただちにハイムリッヒ法と呼ばれる措置を始めます。これはのどを詰まらせているような人の気道を確保するための応急処理方法です。
コーディのこの処置は見事に功を奏しました。女性はすぐにのどに詰まっていたステーキを吐き出しました。死ぬ思いをしたという恐怖からか多少は震えが残っていたものの、女性はどこにも異常などはなく無事で、その後出された食事をそのまますべて平らげたそうです。一仕事を終えて新郎が席に戻ってくる様子を、ケリーは誇りに思いながらじっと見つめていました。
このときの様子は、式の様子を記録に残そうとビデオを回していた客によってすべてフィルムに収められました。そのときの動画はこちらから観ることができます。(英語音声のみ)
それにしても、夫婦として新たな人生をスタートしていこうという2人にとっては、これ以上ない門出となったに違いありません。そして、命を救われた招待客にとっても一生忘れることのできない夜になったことでしょう。もちろんほとんどの人にとって自分の結婚式の日の記憶は特別なものですが、彼の英雄的な活躍はコーディとケリーの結婚式の参列者にとってこれ以上にないほどに強く印象に残るものとなったようですね。
プレビュー画像: ©️youtube.com/Inside Edition