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おもしろ・びっくり

ハワイで謎の珍現象: ウナギが鼻の穴にハマって抜けないアザラシ

大自然の中、生息する多種多様な野生動物。弱肉強食の掟が支配する厳しい世界に生きる動物たちですが、ときに厳しい野生の世界に似合わぬ、思わずほっこりしてしまう珍しい現象が起こることがあります。捕食者の雌ライオンに懐いて奇跡の生還を果たしたヌーの赤ちゃん、散歩中の犬と意気投合し友達になった野生の狐、ヒグマと狼のワイルドな仲良しペア…しかし、今回発見された珍現象は見るものを??の戸惑いの渦に突き落とす不可思議な姿の生き物です。

なんと、ハワイで鼻の穴にウナギが詰まった状態のアザラシが発見されたのです。このアザラシはハワイ諸島の固有種「ハワイモンクアザラシ」。サンゴ礁の破壊や繁殖地の減少、乱獲などにより、絶滅が危惧されている希少なアザラシです。これまで40年間にわたり研究と保護活動が続けられているハワイモンクアザラシですが、専門家によると約2年前からこの奇妙な現象が報告されているそうです。中には全長75センチのウナギが5センチだけアザラシの鼻からはみ出だ状態で、発見された例もあります。

「鼻からウナギ」状態となったアザラシがこの2年ほどで数回発見されており、その度にウナギは取り出され、アザラシの鼻づまり問題は無事に解消されています。

しかし、なぜアザラシはウナギを鼻の穴に詰めてしまうのでしょうか? その謎は解明されてはいませんが、専門家によるとアザラシは海底の岩の下や砂、サンゴ礁に鼻先を押し当て獲物を探る習性があることから、見つけられたウナギが逃げ場を求めて鼻の穴に突っ込んでしまった可能性があると考えられています。

また一説によると、アザラシがウナギを捕食した際に、一旦飲み込まれたウナギが逆流して鼻の穴からはみ出す結果に繋がったのかもしれません。この「鼻からウナギ」現象は若いアザラシに見られる傾向があるため、ウナギを咥えて遊んでいるうちには鼻に詰まってしまったのではないかと推測する研究者もいます。

「鼻からウナギ」の原因はいまだに謎のままですが、今後も研究チームはハワイモンクアザラシの保護活動に精力的に取り組んでいくそうです。現在わずか1400頭まで個体数が減少してしまったハワイ固有の稀少なハワイモンクアザラシ。鼻にウナギが詰まる危険なトラブルの発生が今後解消されますように。