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ジーンとくる話

元捨て犬の見事な変身ぶりに、感無量

人間も動物も、ネグレクトの扱いを受けると心に深い傷を負い、心身ともに病んでしまいます。栄養不良や身体的・精神的暴力被害により外見がすっかり変わってしまうのは人も動物も同じです。

クロアチアで保護された雑種犬フロドもそんなネグレクト状態から救出されました。ボロボロに傷つき、怯えるばかりのフロドから、これまでに酷い体験を重ねてきたことは容易に推測されました。

発見された当時、フロドはあまりにも痛々しい姿でした。片目に傷を負い、全身に疥癬を患っていたのです。栄養失調状態で、体毛はほとんど抜け落ちた状態でした。

すぐに動物保護施設に保護されたものの、経験豊かな飼育担当者ですらフロドの姿に衝撃を受けるほどでした。

「目の前に座り込んでいる犬を見て目を疑い、思わず凍りつきました」飼育担当者クラウディアは当時を振り返ります。

当初、容体は深刻で予断を許さない状況だったため、回復の見込みは望めないと誰もが考えていました。

「全身寄生虫だらけ、痩せ衰えて骨と皮だけになっていました。生存する可能性も低い状況でした」とクラウディア。

さらに悪いことは続きます。診断した医師により、フロドの右目を炎症を起こしており、除去する以外に治療法はないということが判明したのです。幸いにも疥癬は治療により完治し、再び毛並みも生え揃うようになりました。しかし完全回復まで、まだまだ長い道のりでした。

そうして数ヶ月後。クラウディアの献身的な看病の甲斐あり、フロドは見事回復を果たします。

「目を見張るほどの変貌です。こんなに元気で愛らしい姿を取り戻すなんて、誰が想像したのでしょう」とクラウディア。

確かに保護当時の写真と比較すると、同じ犬とは思えないほどに見事な回復を見せています。明るく元気な姿を取り戻したフロドの里親を募集したところ、すぐに引き取り先の家庭が見つかりました。

「フロドがどんな辛い試練をくぐり抜けてきたのか、想像することすらできません。絶望的状況から救い出してくれたすべての人々に感謝しています。今では家族の愛情をたっぷり受け、フロドは幸せな生活を送っています」と里親。

これまでに悲惨な体験を重ねてきたフロドですが、ようやく愛情に溢れた温かな家庭に迎えられ、幸福を手にすることができました。これからもずっと穏やかで幸せな暮らしを満喫することができますように。