優秀な不妊治療医のハズが、歴史上最悪の犯罪者だった。

カナダ・オタワで身も震え上がるような恐ろしい事件が起こりました。被害にあった家族の運命を永遠に変えてしまうような残酷なその行いは、しかし血みどろの凄惨な現場ではなく、ひっそりとした冷たい空間の中で行われたに違いありません。

2016年、カナダに住む当時25歳のレベッカ・ディクソンさんがセリアック病と診断されたことから、恐ろしい真実のベールが剥がされはじめました。

YouTube/CityNews Toronto

セリアック病は、グルテンに対し異常な免疫反応が生じることで、自分自身の小腸粘膜を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつ。遺伝性の病気としてよく知られています。診断を受けたレベッカさんは困惑します…なぜなら、レベッカさんの両親はセリアック病にかかっていなかったからです。

その後、遺伝子検査を受けて浮かび上がった答えに、レベッカさんは背筋も凍る思いでした。

自分の生物学上の父親は、自分が父親と信じて来た人物とは全く違う人物だったのです。生物学上の父親はなんと、母親の不妊治療にあたっていた医師、バーナード・ノーマン・バーウィン(80)でした。

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バーウィンは、1970年代から患者の卵子に自分の精子を受精させていたのです。

「真実を知った瞬間、私の人生は永久に変わりました。鏡に映る人物が、もう完全に自分ではないかのようでした…」

レベッカさんはショックをそう語っています。

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バーウィンに対する疑惑が持ち上がったのはレベッカさんの時が初めてではありませんでした。2013年、バーウィンの治療を受けた別の患者も「子どもたちと父親のDNAが一致しない」と訴えていました。それを受けバーウィンは2ヵ月間医療行為を停止。さらに別の患者が同様の訴えを起こした後、2014年に医療行為を自発的に退いていました。

さらにレベッカさんの訴えを受け、フィジシャンズ・アンド・サージョンズ・オブ・オンタリオ大学の懲戒委員会は、バーウィンが職業上の非行を犯したとして医師免許を取り消しました。

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これまでの調査で、バーウィンが意図的に異なる精子を与えた女性たちが出産し誕生した子供の数は50人以上にのぼり、そのうちの実に11人がバーウィンと遺伝子的に一致したことが分かっています。

レベッカさんの一家は、これから何世代にもわたりその事実と向き合いながら生きていかなければなりません。レベッカさんにとって過酷な現実であるのはもちろんのこと、両親にもその重荷がのしかかります。「母は知らないうちに、許可なく自身の体に引き起こされた出来事と一緒に生きていかなければいけないのです」レベッカさんはそう語っています。

レベッカさんは、人混みの中にいると、無意識のうちに自分に似た人、親違いの兄弟姉妹かもしれない人を探してしまうと言います。これまでに親違いの兄弟姉妹を15人見つけましたが、その数は今後も増えていくかもしれません。

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複数の患者による集団訴訟も持ち上がっており、バーウィンのその後の動きは現在も注目されています。しかしレベッカさんのように勇敢に声をあげられる人物がいる一方で、向き合いたくない現実として名乗り出ない被害者も多くいるであろうと予想され、バーウィンの行った行為の全貌を掴むことは難しいのが現状のようです。たとえ真実が全て明らかになったとしても、被害者は何世代もその重荷を背負っていかなければなりません。どんな犯罪よりも残酷なこの職権乱用、一刻も早く何らかの決着がつくことを願ってやみません。

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