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ジーンとくる話

百獣の王に狩られてしまった生まれたばかりの赤ちゃん。しかし直後のありえない展開に困惑したのは、ライオンの方だった。

大自然の中で野生動物たちがのびのび暮らす、アフリカの草原地帯サバンナ。過酷な自然の掟によって支配されるこの野生動物の王国では、日々様々なドラマが繰り広げられています。今回はみなさんにそんなサバンナの地で起こった、まるで奇跡のような物語を紹介します。

 
アフリカのサバンナにあるセレンゲティ国立公園。雨季も終わりを迎え、野生の世界では多くの命が芽生える季節が到来しました。

Youtube/SmithsonianChannel

しかし、母親のお腹から生まれたばかりのまだ幼い草食獣の子供たちは動きが鈍く、肉食獣たちにとって恰好の獲物です。

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そして、この日生まれたばかりのヌーの赤ちゃんも、すでに一頭のメスライオンに狙われていました。

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必死の抵抗を見せる母ヌー。しかし、百獣の王・ライオンを前にしては成す術もありません。

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大きな体のメスライオンに捕まってしまったヌーの赤ちゃん。命運は尽きたかに見えました…。

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まだ生まれたばかりで、体が濡れたままの赤ちゃん。このまま噛み殺されてしまうのか…と思いきや

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なんと奇跡が起こったのです!生まれたばかりの草食獣の赤ちゃんは、本能的に動くものについていく習性をもっています。母親を求める本能がそうさせるのか、あろうことか捕食者であるライオンに甘えはじめたのです。

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母親は子どもの様子を遠くから、固唾を呑んで見守っています。

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ライオンも一度はヌーの子にかぶりついたものの、それはまるで子ライオンをあやす親がする甘噛みのようなもので、ヌーの子は無傷でした。ライオン自身も思わぬ形で愛情を見せてくる獲物に困惑している様子です。

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ついには完全に闘争本能が解けてしまったのか、メスライオンはヌーの赤ちゃんをあやし始めます。ヌーの赤ちゃんも、ライオンをすっかり母親と認めたのか、顔や体に擦り寄ってお乳を求めるようなそぶりさえ見せました。

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数時間後、ライオンは赤ちゃんの元を離れていきましたが、この頃には赤ちゃんの体は完全に乾き、自分の足で立ってしっかりと歩けるようになっていました。

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その後、ヌーの赤ちゃんは無事母親の待つ群れに帰ることができ、母親と感動の再会を果たすことができたのです。動画には映っていませんが、この時ライオンとヌーの赤ちゃんの周りにはハイエナがたむろしていたそうで、結果的にライオンの驚くべき行動は幼い命を救うこととなったのです。

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なぜメスライオンがこのような行動をとったのかについては様々な意見がありますが、もしかしたらこのメスライオンも幼い子どもを失った経験があり、ヌーの子を捕まえた途端、その記憶が蘇ってきたのかもしれません。いずれにせよ、弱肉強食のサバンナでこうした心温まる光景が見られることは、奇跡と呼んでも過言ではないでしょう。