【異変に気付いたのは犬だった】飼い主を救うため全力を尽くした2頭の愛犬

強い絆で結ばれた人と犬。ときとして犬の愛情の深さは人を死の淵からも救うことがあるようです。 ドイツのラインラント・プファルツ州ルートヴィヒスハーフェン・アム・ラインで起きたある出来事を紹介します。

7月24日の早朝、就寝していたクリスチアーネ・W(48歳)を椎骨動脈破裂による脳卒中が襲いました。骨髄梗塞により呼吸中枢が損傷を受け、クリスチアーネの命はまさに空前の灯。このまま人知れず消え行くかに見えた命でしたが、2頭の愛犬たちはそうはさせませんでした。

飼い主の異変に気付いた愛犬のタイソンとバンディットは、迷うことなく出来る限りの行動に出ました。

「バンディットは母をベッドから引っ張り出し、タイソンは階下に下り吠えて異変を知らせました」とクリスチアーネの娘セリーナは当時を振り返り語ります。

2頭の愛犬の懸命の行動によりクリスチアーネは意識を取り戻しました。当時就寝中のセリーナは、タイソンの異常な鳴き声やうなり声で目を覚ましました。

「いつにない鳴き声を聞き、声のする方へ急いで向かうとそこには母の姿がありました。体の左右をタイソンとバンデットに支えられた状態でした。母の顔の左半分は下がって歪んでおり、左脚も麻痺していました。話すこともままならず、犬たちに支えられてなんとか体を起こしていました」とセリーナ。

夫のマルクスが救急に通報し、クリスチアーネはただちに緊急搬送されました。緊急治療室で48時間の救命治療を経てクリスチアーネは後遺症は残ったものの、なんとか命を取り留めることができました。

異変に気付いた愛犬の助けがなければクリスチアーネは家族にも気づかれることなく、命を落としていたことでしょう。

「バンディットとタイソンがいなかったら、母は眠っているうちにひっそりと亡くなっていました。今こうしてここにいることもなかったんです。まさに命の恩人です」とセリーナは語っています。

退院後のクリスチアーネにとって愛犬の存在は大きな支えとなりました。バンデットとタイソンはクリスチアーネのリハビリ生活に寄り添い、日常生活への復帰をサポートしました。

「歩行具を使って歩く母のペースに合わせてゆっくりと歩き、母のリハビリ生活の良きパートナーでした。ときには母の言いたいことが私たち家族には理解できなくても、犬たちには分かっていたようです。介護犬として訓練を受けたことはなくても、母をサポートする役割を見事に果たしていました。母を日々支え、母の回復を促してくれたのです」とセリーナ。

残念がら、バンディットとタイソンはもうクリスチアーネの傍らにはいません。2017年5月、手術後の医療ミスによりバンディットは亡くなり、タイソンも急性リンパ性白血病により2019年1月に亡くなっています。

「母の異変に誰よりも早く気が付いたのは愛犬でした。犬の深い愛情と敏感な察知能力を是非多くの人に知ってほしいと母は願っています。私たちにとって愛犬はヒーローそのものです」とセリーナ。

「両親は長年にわた保護団体から動物をペットとして引き取ってきました。救った保護動物によって、母の命が救われることになるとは想像したこともありませんでした。家族の一員としてバンディットとタイソンには今でも日々感謝しています。そして今後も、泣き愛犬への想いを胸に保護施設で新たな飼い主を必要としている動物たちを迎え入れ続けていきたいと思います」とセリーナは言います。

愛犬によって救われた命。飼い主を想う犬の愛情が伝わる、心の温まる物語です。

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