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【コロナ危機】国境を超えて広がるご近所助け合いの輪

これまでに感染症の脅威を描いた映画が数多くありました。外出禁止令で閑散とした街、医療現場の崩壊など…現在のコロナ危機はまるで映画の世界を忠実に再現しているかのようです。映画でもパニックになった人々が描かれていますが、現実にスーパーの棚の商品を買占める人やマスクや消毒薬を高額転売する人が数多くいることに暗澹とした気分になります。

しかし、もうひとつ、さまざまな映画と現実社会との共通点があります。この危機のなかで、人々の思いやりの輪が広がっていることです。

なかでも、昔ながらの「ご近所さんの助け合い」の大切さが見直されつつあるようです。

その一例がドイツ、ポツダムでジェシカ・ケーニヒの立ち上げたQuarantänehilfe Potsdam(コミュニティの助け合い活動)です。このFacebookグループのメンバーは、近隣の施設に隔離された人々や高齢者をサポートしています。

活動はネット上でも行われていますが、高齢者はネットに繋がっていないことが多いため、メンバーはアパートや施設の入り口や廊下にメモを貼って呼びかけています。

内容は、例えば、「代わりに買い物をします」「子どもやペットの世話をお手伝いします」など。緊急時に助けてくれる人がいることが伝わるだけでも、孤独感や不安を軽減させることにつながるでしょう。

「ご近所のみなさん 65歳以上の方や免疫に問題を抱えている方は健康のため家にいてください。代わりに私がお手伝いします。私は学生で、どのリスクグループにも属していません。買い物などできることがあれば、気軽に声をかけてくださいね」

「ご近所の方へ 高齢者の皆さんや免疫に問題がある方は家にいてください。私が手伝います。なにかサポートが必要なことがあればメモを置いてください。」

ポツダムのグループのメンバーは1500人近くに上っており、ご近所同士で支え合う組織的な支援ボランティアのネットワークとなっています。この活動はすでにベルリンやウィーンなどの他の都市でも行われており、国境を超えてボランティアによるコミュニティ支援の輪が広がっています。

こちらはベルリンから
「ご近所の皆さん 私は症状もありませんし、ウイルスのリスクグループにも属していません。もしあなたがリスクグループに属しているなら、トイレットペーパーや塩が足りない、買い物してほしい、ちょっとした用事を手伝ってほしいなど、なんでも遠慮なく電話で伝えてください(電話番号:***)私の部屋(*)の郵便受けにメモを入れてくださってもいいですよ。あなたの隣人より」

よい活動はどんどん真似ていいですね。困難な時期だからこそ、「助け合い」や「思いやり」を忘れないでいたいものです。