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生まれてくるために必要だった注射器と一緒に写真撮影した赤ちゃん

様々な生き方を選択できるようになった現在、個人差こそあれ、妊娠はデリケートな問題です。不妊に悩む人は多く、長年不妊治療を続けるカップルは決して少なくありません。

アメリカのアリゾナ州在住の同性婚カップル、キンバリーとパトリシアにとって子供を授かるための道のりは長く険しいものでした。長い間、不妊治療に耐えてきたものの、身を結ぶことはなく、3度の流産を繰り返しました。2人ともすっかり失望し、ほとんど諦めかけていました。

「もう不妊治療なんて止めよう、これ以上耐えられない、医者の顔を見るのもウンザリ、そう思っていました。しかし妻と母に励まされ、なんとか不妊治療を続けることができました」とパトリシア。

辛い不妊治療生活に耐えること4年、ようやく2人は娘を授かることがでました。そして2018年8月3日、ロンドン・オニールは誕生しました。一家に新たなメンバーが加わった瞬間でした。

「初めて娘の泣き声を聞いたとき、私たちはお互いに見つめ合い泣きました。感動のあまり震え涙が止まりませんでした。ようやくこの子に出会えた、と深い安堵感に包まれました。こんなに心を揺り動かされたことはありませんでした」パトリシアは誕生の瞬間を振り返ります。

ロンドンを出産するまでの道のりは長く険しいものでした。パトリシアは幾多の試練と苦悩に耐え、ようやく報われたのです。娘を妊娠するまでの4年間、受精率を上げるために打った注射の合計数は1616本にも及びました。

不妊治療を開始した当初から特別な記念写真を撮影するため、使用した全ての注射器を保管していたパトリシア。ロンドンの誕生後に計画を実行に写します。カメラマンを雇い、使用した注射器全てを使いハートを描き、レインボーカラーのお包みに包んだロンドンを寝かせました。

「1616本の注射器を並べた光景は圧巻でした。大量の注射器を見ると、辛い不妊治療を乗り越えたとしみじみと実感し、感慨深いものがあります。写真を見て涙せずにはいられませんでした」とパトリシアは語ります。

ネットに投稿された写真は多くの人の心に響きました。とりわけ、ゴールの見えない不妊治療に耐える人々にとっては希望をもたらす一枚となったようです。

新たな家族が加わり、大きな幸せに包まれたキンバリーとパトリシア一家の未来が素晴らしいものでありますように!