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生まれて間もない娘に授乳する新米パパ

カンガルーケアをご存知ですか?出産直後、生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸の上に寝かせるようにして肌を直接触れ合わせ、30分から1時間ほどの間、母子の温もりや鼓動を体感させるケア方法です。出産という大仕事をやり遂げた母親をリラックスさせ、赤ちゃんの体温と呼吸を安定させる効果があり、またカンガルーケア中に初めての授乳をすることで母乳の分泌が促進され、母子の絆を強くするといった効果があるとも言われています。

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そんな母子の絆を強めるカンガルーケアですが、父と子の絆を強める効果もあるようです。米国ウィスコンシン州出身のマクサミリアン・ノイバウアーは今回、新生児の娘ロザリアとカンガルーケアに臨み、その効果のほどを証明しました。

2017年6月、娘ロザリアを帝王切開で出産したマクサミリアンの妻エイプリル。出産後すぐに手術室を出てカンガルーケアを望んでいたエイプリルでしたが、帝王切開手術中のトラブルによりそれは叶いませんでした。

手術室で担当医がエイプリルの容体を安定させている間に、マクサミリアンはロザリアと感動の初対面を果たしました。生まれてすぐに親と直接触れ合うことはの新生児にとって極めて重要です。そこで新米父のマクサミリアンは娘をカンガルーケアすることになったのです。オムツ姿のロザリアを胸の上で抱き、素肌を触れ合わせました。

父親の温もりと鼓動を直に感じることで、肺呼吸を開始してまだ間もないロザリアは呼吸と体温を安定させ、出産時のストレスから回復することができました。親となった実感が湧くとともに幸せを噛みしめるマクサミリアン。そんな彼に助産師は奇妙なことを頼みます。

「シャツをはだけた状態で娘を抱いてカンガルーケアをしていたら、助産師が『今この子にはミルクが必要だから、スポイトで飲ませます。でもその前に、母乳は出なくても乳首を吸わせる授乳体験をさせてあげてもいいですか?』と聞いてきたんだ。何事も一度は挑戦すべきだというのがモットーの僕の返事は、『もちろん!』だったよ」とマクサミリアン。

その後、帝王切開手術から回復した母のエイプリルは娘に授乳することができました。新米父マクサミリアンにとっても今回のユニークな体験はとても特別なものになったようです。

確かに男性が新生児に授乳している光景は奇妙な印象を与えますが、今回の異例のカンガルーケアが赤ちゃんにも父親にも双方にとって良い効果をもたらしたことは明らかなようです。

(*注意: 過去にカンガルーケア中に赤ちゃんが酸素不足に陥って深刻な脳障害を引き起こしたり死亡した例も数件報告されています。新生児期の赤ちゃんは、呼吸や体調が急変しやすく、事故が起きたケア中は母子のみであったため、赤ちゃんの異変に気付くのが遅れたことが原因と言われています。こうしたリスクも指摘されているカンガルーケアですが、母子ともにメリットが多いため、多くの病院では関係者が同席し赤ちゃんの状態を観察しながら安全に配慮して実施されています)