高濃度の二酸化炭素がもたらす危険「マズク」

みなさんは「マズク」(MAZUKU)という自然現象をご存知ですか?日本人にはあまり聞き慣れない言葉ですが、スワヒリ語で「邪悪な風」を意味するこの恐ろしい現象によって、カメルーン、コンゴ民主共和国、ルワンダなどで毎年多くの子どもたちが命を奪われています。

YouTube/MichaelFreudiger

マズクとは火山の噴火や淡水湖沼のガス噴出などが原因で、高濃度の二酸化炭素が局地的に発生する自然現象のことを言います。この空間には酸素が一切存在しないため、人間や動物が一歩足を踏み入れれば呼吸困難に陥り、窒息死してしまうのです。

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なんらかの理由により大量発生した高濃度の二酸化炭素は、地表に近い空間に蓄積。それがちょうど子どもたちの背丈と同じ高さのため、誤ってマズクの発生した空間に入って命を落とす子どもたちが、マズクの多発地域では後を絶ちません。

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こちらの女性も、娘をマズクに奪われた親の一人です。おつかいに出かける途中、まだ幼かった少女は知らず知らずのうちにマズクの発生エリアに迷い込んでしまい、倒れていたところを近所の住民によって発見されましたが、すでに息を引き取っていました。

これまでに多くの人が「邪悪な風」の犠牲となっていますが、歴史上最も多くの死者を出した忌々しい事件が発生したのは、1986年8月21日のことです。その日、カメルーン共和国にあるニオス湖から、湖水爆発によって高濃度の二酸化炭素ガスが大量に噴出。湖の近隣にある村落の住民たち1800人と家畜3500頭が命を落とす大惨事となりました。

YouTubeに投稿されたこちらの動画では、発煙筒を使ってマズクを可視化する試みが行われています。子どもたちが神妙な眼差しで見守る中、発煙筒の煙は二酸化炭素が充満したエアポケットを避けるように横に広がっていくのがお分かり頂けるはず。普段目には見えないマズクを目の当たりにした子供たちの真剣な表情からも、彼らがマズクをどれだけ恐れているかが伝わってきます。

いかがでしたか?コンゴ民主共和国とルワンダの国境にあるキブ湖でも、マズクの発生が確認されているそうで、この湖の周辺では泳いでいる最中に窒息し、溺死に至る人が毎年100人ほどいるんだとか。みなさんも該当地域に旅行される際は、くれぐれもお気をつけ下さい。

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