ちえとくをフォローする

人気の記事

科学者はサルの頭にある物を移植した それがなにか知ったとき激しい怒りが込み上げてきた

「あるモノをサルの脳に移植したところ、その認知機能を向上させることに成功した」とする研究結果が発表され、その「モノ」を巡って、激しい議論が交わされています。

中国南西部にある中国科学院昆明動物研究所と米・ノースカロライナ大学の共同チームは、2019年3月27日、中国の英文科学誌「ナショナル・サイエンス・レビュー」において「ヒトの脳の発達に重要な役割をもつマイクロセファリン(MCPH1)遺伝子の複製をアカゲザル11匹に移植したところ、野生のサルと比較して短期記憶が向上し、反応時間も短くなった」とする研究論文を発表しました。

そう、彼らがサルの脳に移植したのは、なんとヒトの遺伝子だったのです!

pin

このニュースが発表されてからというもの、世界の科学界では倫理観に基づいた大論争が勃発。インターネット上では科学の暴走によって、サルが人間を支配する架空の近未来がテーマの映画「猿の惑星」のような事態にならないかと心配する声も上がっているとか。

pin

研究結果について中国の研究チームは「ヒトの脳の起源を明らかにするための第一歩を踏んだ」として、霊長類にヒトの遺伝子を移植することで、「なにがヒトを特別な存在にするのか」という問いを解き明かす手がかりを掴めた可能性があるとしています。

その一方で、ヒトと非常に近い存在である霊長類にヒトの脳の遺伝子を移植する行為に、国内外から批判の声が上がっているのもまた事実です。

pin

今もサルやネズミなど、多くの動物たちが世界中で実験動物にされている事実に憤りを感じずにはいられません。今回のような倫理を一切無視した研究は本当に人類にとって有益なのか、国際社会が一丸となって真剣な議論を交わす時期が来ているのかもしれませんね。

プレビュー画像:©Facebook/Taipei Zoo 臺北市立動物園