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性犯罪者ではないフツーの男性について語る女性たち

酔って判断能力が低下したり、意識が混沌とした相手にセクハラや性暴力を働くことは卑劣な行為であり、絶対に許されるべきものではありません。しかし、それにもかかわらず、「酩酊するほど飲んでいた被害者側にも非がある」「こうなるリスクは分かっていたはず」などと、まるで被害者に落ち度があったかのように指摘する『セカンドレイプ』により苦しむ性被害者は決して少なくはありません。

性犯罪の責任は全て加害者にあり、性被害に遭った側が咎められる理由は一切ないのです。「自分に落ち度があったのでは?」などと被害者が思い悩むべきではありません。

「パーティや飲み会で正常な判断能力を失うほど酔ってしまった場合、当然、性被害のリスクを承知しておくべきだ」といった世の風潮に対し、ニューヨーク在住の若い女性モーラ・クィントゥの一石を投じる発言は話題を呼びました。

 

Twitterに自身のある体験を綴ったモーラ。10代当時の危うさが伝わる内容に、ありがちな悪い結末を連想する人もいるかもしれません。しかし実際は違いました。

 

「自分に自信がなかった高校生の頃、普段は身につけないような胸元の開いたタイトなトップスにダークカラーのリップでパーティに行ったことがあったの。すっかり泥酔してしまった私に、一人の男性が近づき一緒にパーティを抜け出さないかと言われた。『多分』と返事した私に、彼は『多分?』と聞いてきた」

「そして彼は『多分』は『イエス』ではないねと言い、私はその晩無事に帰宅した。私がパーティで話したのは、泥酔した女性に性的暴行をするような男性ではなかったから」

泥酔している=性被害に遭う、というわけではないと主張するモーラの投稿はたちまち多くの女性に支持され、同様のエピソードがTwitterに投稿されました。

「初デートは日中カフェで。その後、自宅でマリオカートをしようと誘った。キスし始めたけど、私はためらった。なぜと尋ねる彼に、展開が早すぎる気がすると答えた私。すると、『じゃあしない』と彼。そして再びマリオカートを続けたの。

みなさん、彼は私の夫になったわ」

「以前、友人に頼んで気になっていた男性を紹介してもらったの。すっかり酔っ払った私は彼にピッタリくっついて離れようとしなかった。飲み過ぎて気分が悪くなった私を彼は洗面所に連れて行き、(私が嘔吐している間)私の髪の毛が汚れないように髪を持ち、それでも彼に言い寄ろうとする私に耐えてくれた。君は酔っ払いすぎていて自分が何をしているのか分かっていないんだと言った彼。確かにその通りだったわ」

泥酔して嘔吐する女性を介抱する男性。下心からの行動ではありません。

「大学生当時、ほとんど性的な経験がない私とは対照的に親友の男の子は経験豊かだった。お互いに添い寝するのが好きだから、よく私のベッドで一緒に眠ったのもいい思い出よ。だって彼は (性犯罪者ではない)だから」

「パーティで酔ってもう起きているのも限界の私に、当時好きだった男の子が家に泊めてくれると言った。翌朝、彼のベッドで目覚めた私は着衣に乱れもなく前日の服のままだった。彼は私にベッドを譲り、ソファで寝ていた。私が無事帰宅できるよう、家まで送りとどけてくれた。だって、彼は (性犯罪者ではない)だから」

彼が特別なわけではなく、まともな「普通の」男性のごく当たり前の姿について投稿者は触れています。

 

「ロンドンで飲んでいて終電を逃した私。タクシーに乗ったつもりが、誰かの車だった。助手席の男性は私を無事に家まで送りとどけてくれた。だって、彼は (性犯罪者ではない)だから」

Twitterに登場する男性たちは特別な人間ではありません。人として当たり前の品性を持った、ごく普通の人物です。残念ながら、実社会で暮らしていく上では、性被害に遭わないための対策は知識として知っておいたほうがよいかもしれません。しかし、被害者が当時の飲酒状況や服装などにより責められるのは全くのお門違いです。

性犯罪の責任は全て加害者にあるのです。