レスキュー
粘着テープでグルグル巻きにされ、動物保護施設前に捨てられた猫。
ある晩、愛猫「バッツィ」の息切れの症状に気づいた飼い主飼い主ニコラ・ペイリング。バッツィの健康状態を心配したニコラは地元の動物病院に急いで連れて行きました。診療を終えて車の駐めてある病院駐車場に向かったニコラは駐車場内の道路に落ちている黒い袋に目が留まりました。袋の中を覗き込んだニコラはショックのあまり震え上がりました。
袋の中には顔中を粘着テープでグルグル巻きにされた猫がいたのです。頭から顔全体にテープが巻きついた猫は、幸いにも空いていた鼻部分から呼吸するのがやっとな状態でした。夜間のため動物病院はすでに閉業していましたが、動物愛護団体「ELM Cat Rescue」の設立者として日々、動物病院と併設した建物で協力体制で職務に当たっているニコラは迷わず猫を連れて動物病院に戻りました。
半ばパニック状態で院内に入ったニコラは病院関係者に助けを求めました。
「テープはきつく巻きつけられ、口も開けられない状態でした。呼吸できるのがせめてもの救いでした。ペンナイフを使ってテープを切り剥がしていきましたが、毛皮にしっかりと粘着しており、容易ではありませんでした。猫の耳をナイフで傷つけることがないよう、細心の注意を払いながらの作業でした」と猫の救出にあたったブレット・ノートンは当時を振り返り語ります。
ようやく粘着テープの拘束から解放された猫は「ラッキー」と名付けられました。
ラッキーの救出劇の様子はこちらから視聴できます:
救出作業中、ラッキーは静かにじっと粘着テープを剥がす痛みに耐え、病院関係者らを驚かせました。まるで自分を助けようとしているということを理解しているかのようでした。
「最初にラッキーの頭を口のテープを剥がしたとき、噛まれる可能性があると予想していました。でも、一切攻撃的な素振りを見せることはありませんでした。唸り声をあげて威嚇することもありませんでした」とブレット。
粘着テープの呪縛から解放されたラッキーは真っ先に置いてあった水飲みボウルに直行。どのくらいの時間、顔をテープで封じられていたのかは不明ですが、一心不乱に水を飲み続けるラッキーの姿から、かなりの間テープが巻きついたことに間違いはないようです。
「まるでたがが外れたかのように、必死に水を飲み続けていました。どれだけ長い間苦しんだのかと思うと、胸が痛みます」とブレット。
その後、獣医の診察の結果、ラッキーは膀胱感染症を患っていることが判明。すぐに治療が始まりました。回復を待ってから、新たな家庭に引き取られる予定です。すでに多くの応募が寄せられており、その中から慎重に里親が選ばれることになります。酷い虐待を受けたラッキーですが、早く心身ともに回復し幸せな新生活を送ることができますように。