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分娩室に到着した女性に、医師たちは触れるのを恐れた。こんな症例は、彼らも初めてだった。

2016年、ウクライナ南部の都市、オデッサ在住のオクサーナ・コブレトゥスカヤの妊娠が判明すると、オクサーナは大喜びしました。36歳のオクサーナは夫セルゲイとの間にすでに3歳の娘がおり、家族は新たな一員が増える喜びに包まれていました。しかし、本来ならばよくある、一家庭のおめでたい出来事が突如、国際ニュースの見出しを飾ることになるのです。

セルゲイとオクサーナは大家族を予定していたわけではありませんでした。二人の子供がいればちょうど良い、と漠然と考えていました。しかし妊娠初期段階でオクサーナのお腹の赤ちゃんは一人だけではないことが判明したのです。

「私たちのどちら側の親族にも双子はいませんでした。私も自分が多胎妊娠をするはずないだろうと思い込んでいたのです」とオクサーナ。

しかし、双子どころではない、さらに大きなサプライズが夫妻を待っていたのです。

妊娠定期健診で超音波検査を受けたオクサーナは産婦人科医師からこれまでの人生で最も驚愕の報告を受けました。

「医師のショックを受けた表情を見た瞬間、心臓が止まるかと思いました。それから医師は小声で『あなた、間違いなくこれは受賞レベルね』と呟いたんです。どうやら私は国の出生率の向上に貢献したようでした….」

産婦人科医はオクサーナに告げました。

「5人の胎児が確認出来るわ。もしかしたら6人かも」

この多胎数が極めて珍しいことは言うまでもないでしょう。五つ子の妊娠率は5500万分の1、驚異的な低確率なのです!五つ子が誕生するというニュースに婦人科クリニックは興奮に包まれました。どの医師もこれまでそのような症例に立ち会ったことがなかったのです。

「まるで夢を見て、いえ、悪夢を見ているようでした。いつになったら目が覚めるのかと期待し続けていました」

オクサーナとセルゲイは、それまで二人が立てていた将来のプランを全般的に変更をしなければいけない状況に気づきました。

「五つ子妊娠の現実を信じることすら難しかったよ。事実を受け入れ消化する必要があったんだ。つまり、一体どうやってそんなに多くの子供の面倒を見るのかってことだ」と、セルゲイ。 

妊娠30週目にして早くもオクサーナの陣痛が始まりました。病院に到着した夫妻を8人の医師が迎えました。

「まるで割れ物を取り扱うみたいに、医師たちは細心の注意を払って対処してくれました」オクサーナは当時を振り返ります。

そしてオクサーナは、無事に帝王切開で3人の男の子と2人の女の子を出産。極めて珍しい多胎妊娠のため、万一の事態を想定していた医師たちは驚きました。それもそのはず、五つ子は小さいながらも全員が完全な健康状態で生まれたのです。

ダリアとアレクサンドラ、デニス、ウラジスラフ、ダビッドの五つ子はたちまち国の有名人になりました。ウクライナ史上、確認出来る限り初めての五つ子の誕生です。

五つ子が誕生し、合計6人の子供たちのパパとママであるオクサーナとセルゲイは互いに協力し合って大家族の面倒を見ています。二人が子供たちと散歩に出かけると、通行人は驚嘆し微笑まずにはいられないそうです。

一家はその後、地元の地方自治体から出産祝いとして贈られたより広いアパートへと引っ越しています。

また、オクサーナはファンのために、Instagramのアカウントで愛らしい五つ子とお姉ちゃんの写真を公開しています。現在5歳になった五つ子たちの元気な姿をInstagramで見ることができます。

もしやベビーモデル?と思うほどに可愛らしい五つ子ですね。

大家族を支える両親にとってこの先も挑戦は続きますが、同時に五つ子は二人にとって大きな幸福の源でもあるのです。苦労が大きいほどに、喜びも大きさを増すものです。

プレビュー画像:©︎Facebook/Odessa Five