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女子高生に「気色悪い」と言われるおっさん。でもこの男性は、その数年後にみんなに頼りにされる。

西本貴信(にしもとたかのぶ)さんは「おっさん」です。でも自分を「おっさんレンタル」として貸し出してから、社会の「おっさん」に対する意識が変化してきています。

西本さんは本業がファッションプロデューサーで、プランナーとしても活躍しています。過去には日本ファッションスタイリスト協会を設立したり、伊勢丹のスタッフ教育なども手掛けるなど、かなり凄腕の「おっさん」です。

Facebook/おっさんレンタル

自分がおっさんになるに従って「電車で女子高生がおっさんを『うざい』とか『気色悪い』とか言っている声を聞くことが多かった」ので気になっていました。

Flickr/Ryo FUKAsawa

そして外面的な仕事を中心にしてきた彼は、内面的に誰かを助けられるような仕事をしたかったのです。そこで2012年より1時間1000円で何でも依頼を受けるサイト「おっさんレンタル」を開始しました。注文は「おっさん」を「カートに入れる」ことによってできます。

街角のクリエイティブ/トイアンナ

そのユニークな発想は話題となり、ネットや雑誌で取り上げられるようになりました。はじめは如何わしいサービスかと思っていた人たちも、「手を握る」「頭を撫でる」などの体を触れる行為は禁止というルールはもとより、人生で色々経験した「おっさん」に、1時間たったの千円で相談に乗ってもらえると言うことで、サービスに対するイメージが変わっていきました。

Facebook/おっさんレンタル

このサービスを提供する過程で、西本さんは色々な人々と会い、色々な相談やお願い事を受けました。とても印象的だったレンタルは、余命を宣告された女性とそのご家族から「美味しいものを美味しく食べる人の姿がみたい」という依頼だったそうです。自分自身、一生懸命に生きているかということを自問したそうです。そのような話をまとめて2014年に「おっさんレンタル日記」という本を発売しました。

Facebook/おっさんレンタル

これがさらなる需要を呼び、他の「おっさん」達の共感も呼びました。色々な畑から役に立ってくれる「おっさん」を厳選し、今では約60人の「おっさん」が、日本全国色々な都市でレンタルできるようになっています。内容は相談が多いそうです。若者や女性が多く、恋愛や進路指導などで「おっさん」の力を必要としています。

おっさんがクールだということが、ようやく認知されてきています。これを機会におっさんのみなさんも、周りの人々を助けてあげられたらいいですね。ただ千円を払うという適度な距離感が良いらしいので、その点を忘れないように。空気を読まずにお説教すると、ただ単に「うざい」と思われます。