ちえとくをフォローする

えらい

若い女性がメモ書きで、6人に自殺を思い留まらせる。

18歳のペイジ・ハンターの故郷、英国北東部のサンダーランド市にあるウェアマウス橋はその名をよく知られています。でも風光明媚だからでも、巨大だからでもありません。あまりに多くの人がこの橋から身を投げているからです。

ペイジ自身がこの橋の欄干から身を乗り出したのは、わずか4ヶ月前のこと。橋の下を静かに流れる川に身を投げてしまおうと思ったのです。

しかし幸いにも、ちょうど通りかかった2名がペイジの行動を止め、自殺を考え直すよう説得してくれます。こうして得た「第2の人生」に心から感謝していると言うペイジ。そして、過去の自分と同じような状況にある人のために自分の経験を役立てようとある行動に出ます。

それで、あの日人生に絶望した自分が身を投げようとしたウェアマウス橋の欄干に、240ものカラフルなメッセージを吊るしました。

「深呼吸して、一歩下がってやめて。あなたは大切な人」

「もっと良い方法が必ずある。あなたを愛している人はたくさんいます。どんなことを経験しても、あなたは壊れたりしない」

「きっと今より楽になると言っているのではない。でもトライしてみる価値はある。あなたは本当は死にたくなんてないはず」

一つひとつのメッセージは短いものですが、どれも前向きな言葉が綴られています。「全然大丈夫じゃなくても、それはいいんだということを伝えたくてこのメッセージを綴っています」とペイジ。「人生は生きる価値があると、説得したいのです」

実際、これまでに少なくとも6人がメッセージを読んで自殺を考え直したとペイジに連絡を取ってきました。そのうちの1人はこんなメッセージを送っています。

「ペイジ、ありがとう。人生にもう一度チャンスを与えてくれたこと、そして家族が耐え難い苦痛を受けずに済んだことを感謝します。あなたのような私欲のない素晴らしい若い女性にどれだけ感謝しているか、言葉では表せません。あなたがいなければ、私はここにいないでしょう」

命を絶とうとする人にもう一度生きる勇気を持って欲しいというペイジの思いは確実に届いています。見ず知らずの通行人によって第2の人生を与えられたペイジは、今その恩を他の人たちに返しているのです。

「メッセージを吊り下げている時も、通りがかりの人が私にいろんな話をして行きました。今、辛い日々を送っている人みんなに、どうか気持ちを強く持ってと伝えたい。そして私のどん底の時期を諦めずに共に過ごしてくれた家族や友人に感謝します」

絶望し自ら命を絶とうとした時、ペイジのメッセージを見た人はどれほど救われた気持ちになったことでしょう。自殺という悲劇を防ぐために私たちに何ができるか、ペイジの活動が教えてくれているのかもしれません。