2人の愛は5週間しか許されなかった その理由を知って 胸が張り裂けそうになった

愛し合う2人の大人が結婚し、互いに手を取り合って家族を築く…これは現代社会ではごく当たり前のことのように考えられていますが、そんな「当たり前のこと」がかつて犯罪だった歴史の存在を、私たちは忘れてはなりません。

1950年代、米国バージニア州キャロライン郡で建築作業に携わるレンガ職人として働いていた白人のリチャード・ラビング。彼は家族ぐるみで付き合いがあり、子供の頃から深い絆で結ばれていた黒人女性ミルドレッド・ジェターと恋に落ちます。

優しくてはにかみ屋のミルドレッドの存在はリチャードになってかけがえのないもの。彼はいつからか「この女性こそ僕の運命の人だ…と確信していました。

そんなある日、二人の元に素晴らしい報せが届きます。なんとミルドレッドが妊娠していたのです!顔をほころばせ「すげぇ!」と喜びを隠せないリチャード。愛するこの女性と子どもの側にずっと寄り添い続けると誓ったリチャードは、ミルドレッドに結婚を申し込みます。しかし…

当時のバージニア州では、白人と黒人による「異人種間結婚」は法律で固く禁止されていました。しかし、子どもの頃から深い絆で結ばれてきた彼女と別れることなどリチャードにはできません。そこで2人は車を2時間走らせ、ミルドレッドの父立ち会いのもと、当時すでに異人種間結婚が合法だったワシントンD.Cで結婚。晴れて家族となった2人は故郷バージニア州へ戻り、家を建てて新婚生活をスタートしたのです。

しかし幸せな夫婦生活は、なんとわずか5週間で終わりを迎えます…。

ある夜、玄関の扉をドンドンと叩く凄まじい音で目を覚ました2人。慌ててドアを開けた夫婦の目の前にいたのは、なんと…

Sheriff

2人の保安官でした!バージニア州の法律に反して結婚した罪でその場で逮捕され、寝間着のまま連行されてしまったリチャードとミルドレッド。裁判を受けましたが、2人の真実の愛は法廷では醜い犯罪としか見なされませんでした。裁判官は判決の際、「異なる人種を創造したのは全知全能の神であり、人種間の交わりは神の意志に反する」と有罪の理由を述べました。

夫婦は1年の禁固刑を命じられますが、故郷のバージニア州を最低でも25年間離れていれば、執行猶予を与えるとの条件が提示されます。渋々この条件をのんだ2人ですが、心の中ではこの判決を受け入れることがどうしてもできませんでした。なぜ「愛し合うことが罪となるのか」理解できなかったからです。

悔しさと怒りに震えながら、家族や友人に別れを告げ、愛する我が家を後にした2人。ワシントンD.Cに移住した夫婦はその後、5年間で3人の子宝に恵まれたものの、住み慣れた故郷バージニア州に帰りたいという想いは、日に日に募る一方でした。

そんなある日「私たち家族が故郷へ戻る方法はないのでしょうか」と当時のアメリカ合衆国司法長官ロバート・ケネディに手紙を書いたのはミルドレッドでした。そしてケネディ司法長官と人権弁護士たちの尽力のおかげで、一家は再び法廷に望むことを決意。

1967年、ラビング一家のケースは最高裁へと持ち込まれ、そして…最高裁判事はバージニア州裁判所の判決を覆し、2人は晴れて無罪となったのです!

その後、一家はバージニアの愛する我が家に戻り、家族や友人との再会を果たしました。この判決は、後の人種分離政策撤廃へ大きな影響を与え、公民権運動の機運を高める結果となったほか、アメリカ合衆国連邦裁判所が同性婚の制限を差し止める判決においても、先行する判例として引用されています。

2016年、ラビング(Loving = 愛するという意味)夫婦の感動的な愛の物語は「ラビング 愛と言う名のふたり」という邦題で映画化されています。

巨大で難攻不落の壁も、真の愛の力でなら攻略できるのかもしれない…そんな希望を与えてくれる物語ですね。日本では現在、同性婚についての議論が盛んになりつつありますが、1人の大人をもう1人の大人を愛することが、当たり前のことになる日がくれば良いですね。

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