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おもしろ・びっくり

最近 ドナルド・マクドナルドの姿を見なくなった。今 何をしているのか知って言葉にならない衝撃を受けた。

アメリカの児童の96%はその名を知っているという全米一知名度の高いファストフードのマスコットキャラ、ドナルド・マクドナルド。2003年(平成15年)からはマクドナルドの「最高幸福責任者(Chief Happiness Officer)」に任命されるなど、マクドナルドの顔として活動の場を広げていくかに思われましたが、そんなドナルドを「最近見なくなった」という声がネットで話題を呼んでいます。

たしかにマクドナルドの広告、ウェブサイト、店舗などを確認しても、ドナルドの姿を見つけることは簡単ではありません。店の前に置かれたベンチにすらドナルドが座っていない店舗がほとんどで、企業の顔とも言えるマクドナルドのホームページにもドナルドの姿は見当たりません。56年間、マクドナルドのマスコットとして君臨してきた彼の身に一体何があったのでしょうか?

ドナルドが表舞台から姿を消した理由は2つあります。まず1つ目に挙げられるのは、子供に人気のドナルドというキャラクターを使ったマクドナルドのマーケティング商法が、本国アメリカで大きな批判を受けたことにあります。企業の社会的責任の追求を目的とするNGO「Corporate Accountability International」は、マクドナルドがドナルドを使った広告を通して不健康な食品の需要を煽ったと主張、マクドナルドに対し子ども向けの宣伝のストップを呼びかけています。こうした声を受けて、マクドナルドはドナルドの使用を自粛しています。

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2つ目に考えられる理由はキャラクター人気の低下です。今の世代の子どもたちは、ピエロやコミックのキャラクターよりも、現実のスポーツ選手や歌手、芸能人などに興味を持つ傾向があります。そのためファストフード業界全体の流れとして、マスコットキャラを使った広告よりも、アピール性の高いスポーツ選手や歌手などを広告に起用する傾向にあるのです。これはドナルドが姿を消したのと時をほぼ同じくして、水泳の北島康介選手や歌手の安室奈美恵などがCMに起用されたことからも推察できます。

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こうして批判や消費者の嗜好の変化に伴って、その姿を消したドナルド。でも、実は隠れたところで良いことをしているんです。ドナルドはマクドナルドが展開する「ハロードナルド!」という学習プログラムを通して、日本中の幼稚園・保育園・小学校などを訪問し、子供たちに日常生活のルールやマナーを伝える活動をしています。でも自分が幼稚園児だったら、こんな顔の人が突然現れたら泣いてしまいそうです。

さらにドナルドは難病を抱える子どもとその家族のために宿泊施設を無料または格安で提供する「ドナルド・マクドナルド・ハウス」のマスコットキャラクターも勤めています。日本全国に12ヶ所あるドナルド・マクドナルド・ハウスは、子どもの病気の治療を目的に自宅から遠い病院に通うことを余儀なくされている家族のため、大きな病院の近くにある第二の家として、病気の子どもに付きそう家族が自宅にいるようにゆったり過ごせる場所を提供しています。

不健康な食品の需要を促進するとして批判され、表舞台からの退陣を迫られたドナルド。こうして意外な所に活動の場を広げていたんですね!慈善活動とはいえ、結果として「不健康な食事を広めている結果になるのでは?」との批判もありますが、こうしてドナルドの姿を見ることができるのは、どこかうれしい気もします。