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生徒たちは亡くなった先生の最後の願いを叶える

30年以上教職に就いていたタミー・ワデル(58歳)は、優しく朗らかな、人望の厚い教師でした。残念ながら今年6月に亡くなったタミーですが、彼女が託した最後の願いが人々の心を揺さぶっています。

ジョージア州フォーサイス郡で教鞭をとっていたタミーは、教師として、そして愛情あふれる1人の人間として生徒たちを支え、生徒たちが抱える学校や家庭の問題に誠心誠意向き合ってきました。

そんなタミーは癌を患っても、決して生きることを諦めようとはしませんでした。持ち前の前向きな姿勢で化学療法を積極的に受けます。病魔に蝕まれ、これ以上教鞭を執ることができなくなったタミーは、闘病に打ち込もうと退職。しかし化学療法によって免疫機能がすっかり低下すると、頻繁に体調を崩し、最終的に重度の肺炎を発症してしまいます。

亡くなる数週間前、死を悟ったタミーは最期の願いを家族に伝えました。自分の葬式に花はいらない、代わりに参列者は筆記用具やノートなどの文房具を入れたリュックサック(アメリカでは通学にランドセルではなくリュックサックを使います)を持参し、葬儀の後、リュックサックを学校に通うことのできない子どもたちのため寄付して欲しいというものでした。

6月9日、タミー・ワデルは家族が見守る中、旅立ちました。葬儀には同僚や教え子を含む100名以上が参列し別れを告げました。参列者らは花の代わりに文房具がギッシリ詰まったリュックサックを持参し、タミーの最後の願いを叶えたのです。

タミーの従妹ブラッド・ジョンソン医師はこの「最後の願い」に心動かされ、Twitterに教会に供えられたリュックサックの写真を投稿しました。すると間もなく、世界各地からブラッドのもとにリュックサックが届いたのです。タミーの最後の願いに感動した人々が、彼女の意思に応えたのでした。

最期までタミーの心にあったのは子どもたちへの思いでした。その愛情深い思いやりの心はタミー亡き後も人々の心を揺り動かしています。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。