ネットで話題
高校生に倫理的問題を出した高校教師。しかし返って来た答えはあまりにも意外なものだった
こんな有名な倫理の問題があります。
暴走したトロッコの先には5人の作業員がおり、
路線を切り替えれば1人の作業員がいます。
このときあなたは路線を切り替えますか?
「ハーバード熱血教室」などで知られるサンデル教授がしばしば学生に問いかけたことで有名になったこの倫理的な問題。
この問題を、学生に問いかけてみたある高校教師のツイートが、大きな話題を呼んでいます。
これを昔、授業でやったら「なぜ助ける必要があるのかわからない。俺は傍観者だから放置して5人が死んでも責任はない。でも切り替えたら俺の責任になる」と言った生徒がいて衝撃を受けた。確かにその通り。「5人の人に感謝されるメリットよりも、1人の遺族に責められるデメリットの方が大きい」と。 pic.twitter.com/BU9tmtMnMU
— とある高校教師S (@hellohellock) April 11, 2019
これを昔、授業でやったら「なぜ助ける必要があるのかわからない。俺は傍観者だから放置して5人が死んでも責任はない。でも切り替えたら俺の責任になる」と言った生徒がいて衝撃を受けた。確かにその通り。「5人の人に感謝されるメリットよりも、1人の遺族に責められるデメリットの方が大きい」と。
高校教師は、こんなツイートも付け加えています。
世の中は「良いか悪いか」という議論では済まないことも多い。特にオトナの世界では、「誰が責任を取るのか」「誰がカネを出すのか」という打算的判断やポジショントークが蔓延している。哲学的な正しさも、現実を目の前にするといかにも弱い。学校で教える正しさが世の中で通用しないことも多いのだ。
— とある高校教師S (@hellohellock) April 11, 2019
世の中は「良いか悪いか」という議論では済まないことも多い。特にオトナの世界では、「誰が責任を取るのか」「誰がカネを出すのか」という打算的判断やポジショントークが蔓延している。哲学的な正しさも、現実を目の前にするといかにも弱い。学校で教える正しさが世の中で通用しないことも多いのだ。
この教師は、救えたかもしれない命を見過ごして打算的な考え方をする生徒の回答に大きな疑問を持ったようです。しかし、この高校教師の考え方に反論するツイートも続々と寄せられました。
倫理のお話しですね。
放っておくと5人が死ぬが、自分が手を加えれば一人の犠牲で済む。
しかし、手を加えれば死ぬはずのなかった人が死ぬことになる。
命の価値がすべて同じならば5人より1人の犠牲のほうがいいが、死ぬはずのなかった人を殺すことになってしまうことは果たして。— K(amaru)@ff14:gaia、mhw (@ke_1169) April 11, 2019
ほんとそれ。充分考え得る解答例の1つですよね。命の扱いの難しさを考えさせてくれる。
— ケイト@夜勤男子 (@mini_bloom) April 11, 2019
そもそもこの問題は、「トロッコ問題」と呼ばれる思考実験で、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という道徳的ジレンマをはらんでいます。
幸せを数値化して量が多いことを善とする功利主義にのっとって考えれば、1人の命を犠牲にして5人の命を救うのは正しいかもしれません。しかし量や数では測れないとするカントの定言的道徳原理にのっとるのであれば、誰かを他の目的のために利用すべきではなく、1人の命であっても犠牲にすべきではありません。
このように様々な正解があってしかるべきなのですが、この高校生の発言のように、人間の利害や感情が絡んでくると話はさらに複雑になります。
このトロッコ問題は誰もが納得できる答えを出すことは無理なんだけど、現在開発が進んでいる自動車の自動運転にはこの状況になった時にどうするかをあらかじめ教えておかなければならないという課題がある。トロッコでは載っている物は石だが車には人が乗るのでこれよりさらに難しい。
— やすiD (@yaskoh1g) April 11, 2019
このトロッコ問題、皆さんはどう思いましたか?ぜひシェアして、友人や家族の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
プレビュー画像: ©︎Twitter@hellohellock