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アンビリーバボー

中世ヨーロッパに実在した恥ずかしい拷問

暗黒の中世から芸術文化が花開いたルネサンス、そして近代に続くまで、ヨーロッパでは様々な趣向を凝らした拷問や刑罰が行われてきました。

キリスト教世界で行われた異端排除のための宗教裁判魔女裁判などで、身の毛がよだつような恐ろしい残虐極まりない数々の拷問や非道な処刑法が堂々とまかり通っていたのです。

しかし、いくら拷問や刑罰とはいえ、必ずしも常に残虐系ばかりとは限りません。中にはひたすら恥をかかせることが目的ともいえる、傍目にはちょっと笑えるユニークなものもあったようです。中世で白昼堂々と公衆の面前で行われていた恥の公開刑罰&拷問を紹介します。

1. 恥辱のマスク

下世話な噂話悪意ある作り話など、あることないこと言いふらす住民を戒めるため、罰としてこうした奇妙なマスクを被らせ町の広場に繋ぎ見せしめとしました。

長い舌のマスクは噂好きであることを意味し、豚のような鼻は下品で破廉恥という意味合いがあったとか。どのような基準で下品と判定されたのか、気になるところです…

マスクの中には内側の口の部分に突起がせり出したデザインのものも多く、その場合マスクを被っているときはこの突起を咥えなければいけないため話すことができず、豚のようなうめき声しか出ない仕組みとなっているものもありました。

また、詮索好き他人の妻を寝取ったなどの理由からもこうした公開マスクの刑は執行され、人通りの多い広場や市場などに罪の書かれたボードを首から下げて縛り付けられることもあったそうです。

町や村の住民の誰もが皆顔見知り状態の狭い社会に生きた当時の人々にとって、この公開恥さらしの刑はかなりキツかったことでしょう。

2. 樽のマント

飲んだくれて真面目に仕事をしようとしない酒飲み酒樽に入れられました。樽から頭を出した状態で町中を引き回されたそうです。樽の重量を肩で支えるだけでも大変だったことでしょう。もちろん、この刑は女性にも行われており、重婚をした女性性にふしだらであると判断された女性も樽の刑を受けたそうです。

3. 喧嘩両成敗の刑

喧嘩がエスカレートして見苦しい争いを繰り広げる二人に対して、この刑が執行されました。

体の自由を奪われた状態でお互いに向かい合って、さらし者に。お互いへの怒りが冷めて反省したのか、それともますますヒートアップしたのか…気になるところです。

4. 木馬の刑

密通した男女への罰でしょうか?男性の足に縛り付けられた重りにご注目ください。

5. 汚名の笛

当時、音楽を聴く機会と言えば生演奏しかありません。娯楽の少なかった時代、楽士の演奏を聴くのは当時の人々にとって楽しみの一つでしたが、それゆえに期待値も高かったのでしょうか。耳障りな演奏をするヘタクソな楽士を懲らしめる処罰までありました。その名も「汚名の笛」。

首輪を装着し、両手をあたかも笛を演奏しているかのように拘束。下手な演奏により人々の心をザワつかせ&苛立たせた罰として広場でさらし者にされたり、町中を練り歩かされたりしました。エンターテイナーとして生計を立てる楽士にとって屈辱的なお仕置きだったに違いありません。

残虐な刑罰や拷問が多かった当時は、刑や拷問を受ける側の人権などほぼ皆無。当時の目を覆いたくなるような残酷な拷問や刑罰に比べればはるかにマイルドな恥さらし系の処罰とはいえど、多くの民衆(しかも地元の顔見知り)の嘲笑を浴びてさらし者にされるなんて、現代の感覚からいくとかなり精神的にキツイものがありますね。

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