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子供のカバンにつけられていた「うつりません」と書かれたこのバッチ。その理由を知って、そこにいた大半の大人が自分の軽率さを恥じた

朝夕の通勤途中、満員となった電車の中で激しく咳き込む人を、うつって欲しくないなぁという表情で見ている隣の人という光景を見ることがあります。仕事を休めないし、なるべく風邪やインフルエンザになりたくない、その気持ちは誰しもが持っているもの。

しかし、そんな日常の光景に一石を投ずるTwitterが反響を呼んでいます。そのツイートがこちら。

早速カバンに付けてみたw
これでもう、電車の中で咳き込んでても白い目で見られなくて済むかも!?
こんなマークあったっけ?的な視線にはさらされるかもだけどw

この投稿をしたNagaさんは仕事の多忙によりぜんそくを発症してしまったそうです。以来、毎月の通院と、朝晩の吸入薬が欠かせない日々を送っています。ぜんそくを発症してからというもの、Nagaさんは咳き込んだ際に、公共交通機関で周囲の人に迷惑がられたり、車両を移動される経験をしてきたそうです。ぜんそくはうつらないのに…そんな思いを持ちながら、積み重なった小さな経験が彼女を苦しめるようになったそうです。
そんな彼女は他のツイッター仲間と悩みを共有しているうちに「ぜんそくマークのようなものがあれば誤解が解け、うつらないことを知ってもらえるのでは」という話になり、このようなマークが誕生したのです。

Twitter@moeyuhinokuni

マークのデザインはNagaさん。彼女はデザインをするにあたり、親しみやすいものにしたいと思いを込めたそうです。またこのようにも語っています。

「このマークそのものを広めていくというよりも、みんなが気軽にマークをつけられて、互いに認識し合える文化だったり、考え方だったり、価値観が広まっていけばいいなと思っています」

「特に何か配慮して欲しいというよりは、単に誤解を解きたいというのから始まっているので、そんな感じで、なんとなく、『そうだよね、そうだよね、みんなそれぞれ抱えてる事情があるよね、それが可視的になって、一目見てわかるのっていいよねー』くらいの感じで広まっていってくれたらな、っていう想いです」

そして現在は新しいマークも考案中。小さな子供にも理解しやすいキャラクターのマークや、喘息に限らず感染の恐れがない咳の場合のマークなど。

Twitter@happydancebozu

Twitter@happydancebozu

ぜんそくの子供を持つ親御さんや喘息を患っているという方からは、このマークによってぜんそくへの理解につながってほしいとの声が上がっています。

このぜんそくマーク、多くの方が称賛する一方である別の見方をすることもできます。それはこのマークが生まれた背景には他人への理解や配慮が欠如しがちな社会があるということ。Twitter上でもそのような気づきの投稿が見られました。

自分を優先してしまいがちな今の社会。お互いを理解する事の大切さをこのマークは教えてくれているように思えます。イミシンでは以前に聴覚過敏の人のために開発されたウサギマークの紹介もしています。マークをつけることで相互理解につながるという利点はありますが、背景にこのようなネガティブな理由があることが今後少しでも減っていきますように。

子供のカバンにつけられていた「うつりません」と書かれたこのバッチ。その理由を知って、そこにいた大半の大人が自分の軽率さを恥じた