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ジーンとくる話

コロナで外出制限がかかる中 動物の世話をするために4人の職員はあるとんでもない事を決め込んだ しかしその決意に世界中から賞賛の声

コロナウイルスの感染拡大により影響を受けるのは私たち人間だけではありません。以前、閉園中のアメリカ・シカゴの動物園で撮影されたあるペンギンの動画を紹介した記事でもあるように、外出制限措置が取られている世界各国では水族館や動物園も休園の状態に陥っています。

外出禁止令が出され、いわば「ロックダウン(都市封鎖)」状態にあるイギリス。そのコーンウォールにある動物園パラダイスパークで働く、イジー、エミリー、ライラ、サラ・ジェーンの4人はあることを決意しました。

4人は、休園中も欠かせない動物の給餌や身の回りの世話をするために、外出禁止措置の間、動物園に住み込むことを決めたのです。

「ここで働く飼育員たちはみな懸命に動物たちの世話をしていますが、彼らにもケアが必要な家族がいます。コロナウイルスによる自宅待機を耳にした時、彼らは仕事から離れ家族とともに家に留まるかどうか、決断しなくてはいけませんでした。しかし4人は、家族の誰かに感染させるリスクを避けるため、パラダイスパーク内の施設に留まり毎日動物たちの世話をする事を提案してきたのです」と園長のアリソン・ヘイルスはコメントしています。

4人のうちの一人、イジーは、「この決断は通勤をすることで高まる家族への感染リスクを少しでも減らすため」とし、また「(万が一職員の誰かが感染し)最悪の事態により全ての職員が働けなくなったとしても、(動物園に滞在をしていれば、ここで隔離となるので)少なくとも私を含む4人が動物の世話をすることができます」と説明しています。

パラダイスパークで飼育されている動物には、鳥類およそ1200羽に加えレッサーパンダ、リス、カワウソなどの多くの哺乳類たちがいます。通常の職員数でもこれだけの動物の世話をすることは容易ではないといいます。

園内に滞在しながらの動物の世話を自ら申し出た4人は、コロナウイルスの影響で来園者がいなくなった今、彼らの日常生活に変化が生じないよう日々のプログラムを維持しているそうです。そんな職員と動物たちの様子はFacebookを通じ随時配信され、来園できない人々に向け動物の姿が公開されています。

家族と動物を守るため、最悪の事態を想定して勇気ある行動にでた4人の飼育員たち。現在は、時間をずらし通勤してくる他の飼育員のサポートを受けながら動物の給餌、そして飼育施設の清掃作業を行っています。

そんな彼女たち4人の姿に、「素晴らしい」「ものすごく愛溢れた行動で、人間っていいなと再認識した」「この状況下(コロナウイルス による外出禁止)、動物園や農場などへの影響を誰一人考えていない中、動物の世話をし続ける人々の素晴らしさは賞賛に値する」など世界中から反響が多数寄せられています。

コロナウイルスの感染拡大のスピードは日本でも日に日に増しています。感染拡大を防ぐには、一人一人が自覚を持ち行動することから始まります。先日ソーシャル・ディスタンシングについての記事を紹介しましたが、海外ではこの人と人が一定の距離を保つことで感染の拡大防止に効果が出始めているそうです。

不要不急の外出は避け、どうしても必要な時はこのソーシャル・ディスタンシングを守ることを心掛けてください。私たちの小さな心がけが医療機関で働く人々や、自分と大切な誰かを守ることにつながります。